2023年07月03日
今年のセレクションセールには、当場から3頭の生産馬を上場予定ですが、今回はセール第1日目に上場予定の№100エイシンキルデアの2022(牡、父ヘニーヒューズ)を紹介させていただきます。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
本馬の360度画像はこちらからご参照ください。
【7月12日現在の測尺】体高157cm 胸囲179cm 管囲21.1cm 馬体重480kg
本馬は当場1歳分場にて昼夜放牧をしながら、セリ馴致も行っています。
当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。
現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。
彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。
本馬も当場でセリ馴致をしながら、先輩の馬たちに続けとばかりに立派な馬体に成長しています。
本馬の父ヘニーヒューズは、多くの方々がご存じのようにダート路線ではトップクラスの名種牡馬です。
現在は総合の種牡馬リーディング第8位、JRAリーディングでも第10位につけるなど、中央・地方問わず今年もしっかりと結果を残し続けています。
特にJRAにおいては、産駒による全勝利がダートのみということで、改めてダート種牡馬だということを証明しています。
内容も良く、今年もG3ユニコーンS勝ち馬ぺリエールを出すなど、今後もダートの重賞戦線ではコンスタントに活躍馬を出してくることが予想されます。
本馬の母エイシンキルデアは愛国の芝レースでの勝ち鞍があり、北米血統のなかでも芝向きと言えるKitten’s Joy産駒らしい競走成績ですが、その彼女にあえてヘニーヒューズを配合したのには理由があります。
まず一つ目は、近親にJRAダート重賞を3勝しているスワーヴリチャードなどダートでも成績を残している牝系なので、ダート種牡馬のヘニーヒューズを試してみたかったこと。
そして二つ目は、この牝系をよく調べて見ると、Storm Catの血を持つ種牡馬との間に勝ち馬が何頭もいることがポイントでした。
上記のブラックタイプはセレクションセールのものを引用させていただきましたが、蛍光マークはすべて父がStorm Catの血を含んでいる馬たちです。
この相性の良さは、本馬の2代母Balaバーラに由来するのかもしれません。
北米重賞の入着歴もあるBalaは、5代表をみてわかるようにBuckpasser3×4など北米血脈が強く、ダート向きを思わせるパワフルな血統をしています。
ここにStorm Catの血を加えると、Storm Bird≒NijinskyやTerlingua≒Hopespringseternalなどの相似クロスができるため、血統的に見ても活躍馬がコンスタントに出やすい配合なのではないかと考えました。
このような血統背景から、ヘニーヒューズとエイシンキルデアを配合することにしました。
写真や360度画像、あるいは動画を見ていただければお分かりかと思いますが、ヘニーヒューズ産駒の割りには少し脚長で重心を高く見せます。
これは母エイシンキルデアの影響であり、さらに言えばその父Kitten’s Joyから受け継ぐ馬体的特徴のようにも感じています。
一方で、四肢にはしっかりと筋肉が付くなどこの時期の1歳馬としては堂々とした馬体であり、それが471kgという馬体重にも表れていると思います。
昨年のセレクションセールには半兄のインテグレイト(父キタサンブラック)を上場して、ありがたいことに高い評価をいただきました。
本馬も半兄に劣らない立派な馬体をしているので、セール当日までしっかりと飼養管理とセリ馴致を施して、皆さまにご覧になっていただきたいと思います。
本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。
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