9月21日に開催されるセプテンバーセール3日目に、当場生産馬2頭を上場予定です。
今回はそのうちの一頭である№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)を紹介させていただきます。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
【9月7日現在】体高151cm 胸囲167cm 管囲19.8cm 馬体重424kg
本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。
母オーパキャマラードの初仔ということもあり、牡馬ながらまだ小柄な部類に入る馬格です。
それでも、父母ともに芝・ダート両方で勝ち鞍がある血統背景を持つ馬であり、本馬自体の馬体も素軽いながらしっかりと身の詰まった馬体をしています。
気性的に勝った部分があるのはPulpit系種牡馬の産駒らしいとも言えますし、本馬の母系からもピリッとした気性をしている馬が多いので、そちらの気性を受け継いでいる可能性もあります。
父のカリフォルニアクロームは、3歳時に米G1ケンタッキーダービー(ダート10F)や米G1プリークネスS(ダート9.5F)の米二冠に加えて、米G1ハリウッドダービー(芝9F)を制するなど、芝・ダート問わず一流の成績を収めて米3歳牡馬チャンピオン、さらには米年度代表馬にも選出された名馬です。
加えて、5歳時には首G1ドバイワールドC(ダート10F)で優勝すると米G1も2勝して、再び米年度代表馬になっています。
その彼の日本における初年度産駒は現2歳になっていて、スプリングノヴァが先日、札幌芝1500の新馬戦を快勝しています。
米国に残してきた産駒からは米G2勝ち馬3頭出すなどしていますが、彼自身の競走成績からすると物足りない印象です。
ただ、北米で残してきた産駒の傾向として芝路線で活躍している産駒が比較的多いこと、またスプリングノヴァのように芝の新馬戦を勝つ馬が出ていることを考慮すると、ダート主流の米国よりも芝の主流レースが多く開催される日本の競馬のほうが合っているのかもしれません。
カリフォルニアクロームは、その父Lucky Pulpitがそれほどメジャーな種牡馬でないこと、牝系のほうもそれほど華やかではないこともあり、彼自身の血統には懐疑的な考え方もあるでしょう。
ただ、彼自身の持つ血統パターンはさすが米年度代表馬と思わせる見事な血統構成をしています。
まず、彼の母Love the Chaseの血統が魅力的です。
彼女は米国の名牝Numbered Accountを3×3で持つほか、Dance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスまで持つ血統パターンです。
それだけでなくNot for Love、Polsih Numbers、Sir Ivor、Vaguely NobleそしてRibotと代々質の高い血脈が配されているのが、この牝馬の血統的長所だと思います。
本馬の配合においては、このうちのDance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスを継続強化すべく、母方のスペシャルウィーク内マルゼンスキーの血を組み合わせました。
マルゼンスキーもまたNorthern Dancer系×Buckpasser牝馬の配合であり、Dance NumberやPolish Numberesとは血統的な親和性が高い関係です。
カリフォルニアクロームの血統に話しを戻すと、彼の父Lucky Pulpit内にSeattle SlewやSecretariat、Cozzeneといった血脈があり、彼の母Love the Chaseの血統にはSir Ivorの血が含まれています。
これらの血脈はNasrullah系×Princequillo系のニック、あるいはその派生形による血脈であり、このような血統パターンをしている馬には素軽いスピードや柔軟性に富んでいることが多い印象です。
実際、カリフォルニアクローム自身もダート路線で米年度代表馬2回を獲得している一方で、芝G1のハリウッドダービーも制するなど芝適性の高さも証明しています。
本馬の母オーパキャマラードもSeattle SlewやSecretariatを持っているので、カリフォルニアクロームの持つNasrullah系×Princequillo系のニックに関しても、息子である本馬の代でも継続強化する配合パターンになっています。
このように、父母それぞれの血統的特徴を活かせるような配合を考えて本馬が生まれたわけですが、本馬の代だけで見るならばLucky Pulpit≒ダンカークの相似クロスが一番大きな血統的特徴と言えるかもしれません。
この2つの血脈の関係性はLucky Soph≒Trolley Songによる3/4きょうだいクロスのほか、Pulpit≒Secret Statusの関係があるなど非常に親和性の高い血脈同士です。
このように、配合にさまざまな血統パターンを施した結果として本馬が誕生しました。
父カリフォルニアクロームが芝・ダート両方でG1勝ちがある種牡馬であること、また母オーパキャマラードもJRAの芝・ダート両方で勝ち鞍があるということで、本馬にも適性の広さが伝わってくれればと期待しています。
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当場から折り返し連絡させていただきます。