2024年06月09日
前回のゼフィランサスの2024につづき、今回も当場からセレクトセール当歳に上場予定のクラシックスの2024(牡、父キズナ)を紹介させていただきます。
本馬の牝系解説文はこちらからご参照ください。
【誕生時】64kg 【6月17日現在】196kg
本馬の母クラシックスはJRAで入着歴はあるものの未勝利で終えて、南関東に転籍して2勝した後に当場にて繁殖入りしました。
ただ、繁殖牝馬としては優秀で、初仔からJRAダートで4勝してOP入りしているドンアミティエ(牡4歳、父アジアエクスプレス)を、2番仔のライトヴェール(牝3歳、父ヘニーヒューズ)はホッカイドウ競馬所属ながらJpn3エーデルワイス賞4着など現時点で6戦3勝2着2回と活躍中です。
母のクラシックスは、血統的にディープボンドの母ゼフィランサスの全妹にあたります。
そのゼフィランサスは初仔からJRAダート3勝のダンケシェーン(父ヘニーヒューズ)を出し、3番仔のディープボンド(父キズナ)は国内外の芝重賞を4勝しています。
この牝系は芝の種牡馬を配合すると芝馬が、ダート系種牡馬を配合するとダート馬を送り出す傾向にあります。
クラシックスもこれまでダート系種牡馬のアジアエクスプレスとヘニーヒューズを配合したことでダート馬2頭を出しましたが、この当歳牡馬はキズナなので芝馬になるのではと予測しています。
実際、本馬のように顔が小さいのは父系であるディープインパクト系の特徴でもありますし、馬体のシルエットも素軽いので、やはり芝向きという印象です。
本馬の体質は、一部のキズナ産駒に見られるように少し硬めに感じさせますが、いずれ柔軟性が増してきそうな雰囲気です。
これまでは非常に順調に成長していて、漆黒の青鹿毛ということもあり、セール当日は見栄えのする馬体で上場できそうです。
さて、この当歳牡馬の血統に目を向けると、父キズナで母がゼフィランサスの全妹ということで、血統的には重賞勝ち馬ディープボンドと同血と見なせる関係になります。
このように血統的に近親度が高いので、本馬にとってはディープボンドが一つの指標になるでしょう。
№359ゼフィランサスの2024の記事でも指摘しましたが、本馬の配合においてはディープインパクト≒キングヘイローによる相似クロスが成り立っていると考えます。
いずれの血脈もLyphard、HaloそしてSir Ivorを持つ点で共通しています。
キングヘイロー自身がHalo≒Sir Ivor≒Droneという強力な相似クロスを持つ血統パターンなので、そこにHaloとSir Ivorを持つディープインパクトの血を加えてキングヘイローの血統的特徴を継続させることは、競走能力の強化という点でプラスになると考えています。
実際、本馬と同血の関係にある当場生産馬ディープボンドは重賞を4勝もしてくれて、いまなお重賞戦線で好走してくれています。
ちなみに、以前ディープボンドをセレクションセールに上場(当時はゼフィランサスの2017として上場)した際の紹介記事がこちらにありますので、興味のある方はご参照ください。
本馬の血統においては、Storm Cat≒モガミポイントの相似クロスも特徴的です。
キズナの母父であるStorm Catとクラシックスの2代母であるモガミポイントは、Storm Bird≒NijinskyというNorthern Dancer系×Bull Page系の組み合わせがあるほか、Secretariat≒ボールドラッドによる4分の3同血クロスもあるなど、血統的に相似性が高い関係だと言えます。
実際、クラシックスにStorm Cat系種牡馬アジアエクスプレスを配合して生まれたドンアミティエ(牡4歳)は現在JRAダートで4勝してOPクラス入り、同じくStorm Cat系のヘニーヒューズをクラシックスに配合して生まれたライトヴェール(牝3歳)もJpn3エーデルワイス賞4着するなどホッカイドウ競馬で活躍中です。
今年はジャスティンミラノがG1皐月賞を制するなど、現時点でキズナは種牡馬リーディング争いのトップに位置しています。
このうち、本馬と同じキズナ×キングヘイロー牝馬の組み合わせは、ディープボンドなど8頭がJRAでデビューして6頭が勝ち上がるなど相性の良い配合です。
セール当日は、好調なキズナ産駒である本馬にも是非ご注目ください。
本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。