2024年07月03日
今年のセレクションセールも、昨年同様に当場から3頭の生産馬を上場予定です。
7月22日から始まる初日に№15エイシンキルデアの2023を、2日目には№242キタサンテンビーの2023、そして3日目には№494クラシックスの2023を上場予定です。
今回は、そのうちの上場番号№15エイシンキルデアの2023を紹介させていただきます。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
上記の360℃画像は、クリックもしくはタップしながら横にスライドすると回転していきます。
【7月21日現在】体高152cm 胸囲175cm 管囲19.9cm 馬体重431kg
本馬は現在、当場の高江第1分場(1歳分場)にて昼夜放牧をしながらセリ馴致をしています。
当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。
G2日経新春杯勝ちのモズベッロ(2017年セレクションセール取引馬)、国内外の重賞を4勝している現役馬ディープボンド(2018年セレクションセール取引馬)、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー(2018年セレクションセール取引馬)、G2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ(2019年セレクションセール取引馬)、そして今年のG3葵SとG3北九州記念の勝ち馬ピューロマジック(2022年セレクションセール取引馬)。
彼らはすべて当場生産によるセレクションセール上場馬ですが、当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。
正直なところ、昼夜放牧をしながらセリ馴致をすると疲労が溜まりやすいのですが、そのあたりは獣医に相談するなどして適切なケアをしてもらって対応しています。
本馬は4月生まれということで、当場から上場予定の3頭のなかでは体高が少し低いほうですが、将来に向けては十分な馬格を備えています。
これまで同様、セール当日に向けて細心の注意を払いながらセリ馴致を進めていきます。
本馬の父インディチャンプにとっては、この1歳世代が初年度産駒になります。
供用初年度が120頭、2年目が115頭の種付けなので、初年度から安定した人気を誇っています。
というのも、初年度産駒が誕生した昨春の早い段階からインディチャンプ産駒の出来が良いとの情報を耳にしていて、そういうことも影響して供用2年目の種付けが115頭と人気を博した面もあるでしょう。
実際、昨年の4月中旬に本馬が生またときも思わず納得したほど、誕生時の馬体の出来が良かったと記憶しています。
お陰様でその本馬の出来が評価されてか、セレクションセール1日目のプレミアムセッションに合格してくれました。
本馬の血統を配合面から見ると、インディチャンプの3代父であるHaloとエイシンキルデア内のSir Ivorの血が相似クロスを形成する関係になります。
いずれの血脈もTurn-to、Pharamond、MahmoudそしてSir Gallahadを持つ点で共通していて、このHalo≒Sir Ivorの関係はかなり相似性が高いと見なせます。
このことは、以前本馬の半兄インテグレイト(エイシンキルデアの2021)をセレクションセールに上場する際に書いた紹介記事のなかでも指摘しました。
興味のある方はこちらからご参照ください。
Halo≒Sir Ivorができる配合は底力のある芝馬が生まれやすいと感じていますが、実際にこの血統パターンを持つ本馬の半兄インテグレイトはJRA芝2000の新馬戦を勝っています。
本馬の配合においては、Kigmambo×Sadler’s Wellsの組み合わせにもご注目いただきたいです。
この組み合わせはニックスと呼べるほどの相性の良さがあり、日本においてはG1を3勝したタイトルホルダーや年度代表馬エルコンドルパサーなど、また海外では凱旋門賞馬ワークフォースや英愛2000ギニー勝ち馬Henrythenavigatorなど多くの名馬が誕生しています。
本馬も父方にKingmamboを、母方にSadler’s Wellsの血を持っているので、この組み合わせができる血統パターンです。
このほかでは、インディチャンプ内のトライマイベストと、エイシンキルデア内のPassing Moodによる相似クロスも特徴的だと思います。
いずれもNothern DancerとBuckpasserの組み合わせから成る血統であり、相似性が高い関係です。
さらに言及すると、本馬の2代母Bala(重賞3勝馬スワーヴアラミスの2代母でもある)がBuckpasser3×4を持つ底力あふれる血統をしていることから、この血を活かす意味でもBuckpasserが絡むトライマイベスト≒Passing Moodの相似クロスは有効であると考えます。
本馬の母エイシンキルデアについては、以前国内の繁殖牝馬セールにて当場が購買した繁殖牝馬です。
そのため、以前の産駒の出来に関して詳細はわかりませんが、当場にやってきて配合から生産・育成まで手掛けた最初の馬が3歳牡馬インテグレイト(JRA新馬戦勝ち)であり、力を入れている繁殖牝馬です。
当然、本馬にも大きな期待をしていますし、セレクションセールのプレミアムセッションに合格した馬として恥ずかしくない状態でセール上場に臨みたいと思っています。
本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。
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