2024年09月11日
9月19日のセプテンバーセール3日目に、当場から生産馬2頭を上場予定です。
今回は№396アヴォンリーの2023(牡、父オルフェーヴル)を紹介させていただきます。
なお、本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
【9月9日現在】体高151cm 胸囲173cm 管囲18.7cm 馬体重406kg
本馬の母アヴォンリーはJRAのダートで3勝した馬で、ダート1200という短めの距離を得意としていました。
アヴォンリーのきょうだいは、もう少し距離があった方がよいタイプが多いので、アヴォンリーの短距離スピードは彼女の父ヘニーヒューズに由来するものと見て間違いないでしょう。
実際、アヴォンリーはヘニーヒューズの牝馬らしく、普段から気の強さを前面に出すタイプの馬です。
ただし、馬格のほうは彼女の母ラヴァーズレーンの産駒らしく、牝馬ながら現役時代は480kg前後で競馬できたほどの恵まれた馬体をしています。
そのアヴォンリーの初仔として生まれた本馬は、現時点では小柄と言える馬体なので、母よりも父オルフェーヴルの馬体的特徴を受け継いでいる印象です。
離乳して1歳7月まで当場の1歳分場で過ごしてきましたが、気性面に関してはやんちゃながらも、すべきことは理解している賢さを持った馬であり、このあたりもオルフェーヴル産駒らしさを感じさせます。
現在は、地元の育成公社さんにセプテンバーセールへ向けてのセリ馴致のために預かってもらっています。
小柄な分、サラブレッドらしい品の良い馬体をしていますが、この先の後期育成に入ってからは牡馬らしい迫力のある馬体に成長してほしいところです。
アヴォンリーの配合は、当場でよく試してきたStorm Cat持ちの種牡馬×モガミヒメ牝系の組み合わせから生まれています。
モガミヒメ牝系にStorm Catを持つ種牡馬を配合すると、Storm Cat≒モガミポイントによる相似クロスができて、この配合の長所の一つだと考えています。
両馬の父系がStorm Bird≒Nijinskyの相似クロスを形成する関係にあり、それぞれの母父についてもScretariat≒ボールドラッドという3/4同血クロスの関係にあります。
この高い血統的親和性により、これら北米血脈を背景とした力強いスピードが遺伝されるのではと、配合段階から拘ってきました。
アヴォンリーに関してはダート短距離で成績を挙げてくれたので、比較的配合どおりの結果だったと思います。
その彼女にオルフェーヴルを配合して本馬が生まれたわけですが、それはこの配合にモデル馬がいることが関係しています。
それが、現役OP馬として頑張ってくれているオセアダイナスティです。
オセアダイナスティはアヴォンリーの半弟であり、本馬の叔父にあたる血統です。
また、それぞれ父がオルフェーヴルなので、血統的には非常に近い関係にあります。
オセアダイナスティの血統表を見てわかるように、アヴォンリーのようにラヴァーズレーンの血を引く繁殖牝馬にオルフェーヴルを配合すると、ノーザンテーストやシェリルといった名血のクロスができることがわかります。
オセアダイナスティはJRAで4勝を挙げて現在OPクラスに所属する馬ですが、本馬も彼の血統パターンを踏襲しているため、高い素質を秘めているのではと期待しているところです。
オルフェーヴル産駒においてはMr.ProspectorやSpecial、あるいはHaloやRibotといった名血を母方に持つ産駒が活躍傾向にあるものの、本馬の配合はあくまでオセアダイナスティをモデルにしているため、他のオルフェーヴル産駒とは血統傾向が異なります。
それでもオセアダイナスティがJRA4勝してくれていることから、本馬も相性が良い配合から生まれていると考えています。
本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。