当場生産馬のドンアミティエ号がりんくうS(OP)を快勝!

12月22日、京都第11RりんくうS(OP、ダ1200)に当場生産馬のドンアミティエ号が出走しました。

 

 

前走のOPで3着と健闘したのが評価されたのか、このレースを4番人気で迎えたドンアミティエ。

スタートをうまく決めて、先頭集団を追走しながらも、道中は中団まで下がって脚を溜めていました。

3~4コーナーで徐々に行き脚を付けながら、最終コーナーあたりで追い出しをはかります。

バラけた直線で前が空いたドンアミティエは、道中控えていた分、直線では力強く伸びて先頭集団を一気に捉えに行きます。

その勢いのまま先頭に躍り出て、最後は2着馬に1馬身3/4差をつけて優勝しました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は、2021年のサマーセールにて現在の馬主様にご購買いただきました。

サマーセール上場に向けての当時の記事はこちらからご参照ください。

 

【1歳時のドンアミティエ】

 

どちらかと言えば涼しい時期のほうが調子が良いと聞いていたので、叩き2戦目の今回は良いところを見せてくれるのではと期待していました。

以前までは1~2番手で道中競馬していた馬が、今回は中団待機で折り合いながら脚を溜めて、最後の直線で弾けるという強い競馬をしてくれました。

前走の室町Sで4番手追走から3着と健闘しているように、その前走で幸騎手が教えたことを馬が今回の競馬でしっかりと結果として結び付けてくれました。

今回の鞍上の菱田騎手も、前走を踏まえた素晴らしい競馬をしてくれたと思います。

 

さて、その幸騎手を鞍上に向かえて中山競馬場のG1有馬記念に出走した、もう1頭の当場生産馬ディープボンド。

自分はドンアミティエが走る京都ではなく、今回はG1ということで中山競馬場に応援に駆けつけていました。

レース前に馬主様やその関係者の方々にご挨拶させていただくなかで、その時点ではメディア発表されていませんでしたが、このレースをもってディープボンドは引退の方向だと伺っていました。

パドックでは本当に良い出来に見えて、厩舎サイドの方々が本当に立派に仕上げてくださったと感じました。

いつもは必ずカメラで彼の写真を撮影するのですが、事前に最後のレースになる可能性を聞いていたので、目に焼き付けたい思いでずっと見ていたためにすっかり撮影するのを忘れてしまいました。

レース結果は残念ながら13着で終えましたが、本当に誇らしく思います。

牧場からの応援という意味では、基本的に生産馬が重賞に出走する日くらいしか応援には行けないのですが、ディープボンドは多くの重賞に出走してくれたので随分と競馬場に応援に行かせてもらいました。

2022年には凱旋門賞の応援にフランスまで行きましたが、私にとっては初めての凱旋門賞観戦でした。

レースの20分前にいきなり土砂降りになって、彼も自分もずぶ濡れになったのは今では良い想い出です。

引退後は京都競馬場で誘導馬になる予定と聞いています。

競馬場まで応援に行くたびに、ディープボンドのグッズを纏ったファンの方々を多く見かけました。

本当に多くの方々に愛されている馬だと感じました。

これからは違う形で競馬ファンの方々と接することになりますが、これまで同様に彼のことを愛してくださると幸いです。

これまで競走馬ディープボンドを応援してくださり、改めて心より御礼申し上げます。

 

クラブ募集馬3頭(当歳)の近況

当場の当歳馬世代も離乳から時間が経過して、成長具合や気性に個性を感じる時期になってきました。

今回はローレル・ターファイト各クラブに提供している当歳募集馬、およびユニオンオーナーズクラブ様の許諾を得てクラシックスの2024の近況も併せてご報告いたします。

まずは、ローレルクラブに提供しているアメージングムーンの2024(牝、父コントレイル)の近況からです。

 

 

【11月末日現在の測尺】体高149cm 胸囲163cm 管囲19.3cm 馬体重364kg

 

当場の現当歳世代のなかで、1番早く誕生したのが本馬です。

そのこともあって、測尺の数字はすべて当場平均を上回ります。

特に体高149cmは当場の現当歳のなかで最も大きく、例えば例年の1歳馬セールに上場される小柄な1歳馬にも見られる体高の数字です。

兄姉との比較で言えば、一番雰囲気が似ているのは現2歳の半姉アメージングハナビでしょう。

そのハナビは新馬戦3着と素質の片鱗を見せていて、未勝利勝ちも視野に入ってきていて、当場としても引き続き期待している一頭です。

本馬の父コントレイルは種牡馬のなかでは少し小柄な部類に入るものの、産駒は総じて小柄な印象は感じませんし、実際に本馬も立派な馬格に成長しそうです。

 


 

次に、ターファイトクラブに提供しているメジェルダの2024(牝、父レイデオロ)の近況です。

 

 

【11月末日現在】体高142cm 胸囲153cm 管囲17.9cm 馬体重293kg

 

アメージングムーンの2024とは逆に、3月31日生まれと当場のなかでは遅めの生まれも関係して、当場平均より総じて低めの数字になります。

母メジェルダが少し小柄な馬体であることが関係してか、メジェルダ産駒は牡牝にかかわらず平均より少し小柄な馬に出やすい印象です。

兄姉との比較で言えば、体高のある現2歳のメロディーロードよりも、本馬は重賞勝ち馬ピューロマジックのほうに馬体の雰囲気がよく似ています。

現在、3月31日生まれの本馬は月齢で言うと8ヶ月齢ですが、2月18日生まれのピューロマジックは8ヶ月齢(とプラス10日ほど)で体高143cm、馬体重300kgでした。

胸囲に関してはピューロマジックが151cmだったのに対して、本馬は153cmだったので、半姉よりしっかりとした馬体にも見せます。

モガミヒメ牝系ほど緩さもないですし、牝馬ながら四肢の筋肉に力強さを感じさせるのも、このきょうだいらしい特徴を受け継いでいる点だと言えます。

 


 

最後に、ユニオンオーナーズクラブ様の許諾を得て、クラシックスの2024(牡、父キズナ)の近況をお伝えします。

 

 

【11月末日現在】体高147cm 胸囲158cm 管囲19.6cm 馬体重341kg

 

脚長の馬体で、胸囲や体重よりも、体高のほうが先に上がっていくタイプの馬です。

一方で、飼い食いに癖が出始めているように感じたので歯をチェックしたところ比較的伸びていたので、この中間に整歯してもらっています。

それ以降は、胸囲も含めて丸みを帯び始めているので、良い成長傾向にあると感じています。

クラシックスの産駒は、放牧地や馬房でも気の強さを前面に出すタイプが多く、本馬も当初はそうでした。

ただ、セレクトセールで現オーナーにご購買いただいて以降、クラブ会員さんにしばしば見学に来ていただくなかで、随分と気性面で成長したように感じます。

関節のつくりや蹄が大きく、脚の長さも考慮すると、十分に立派な馬体に成長すると予想しています。

 

当場生産馬のタッチウッド号がアーモンドアイCを快勝!

11月24日の東京第11R(芝2000)に、当場生産馬のタッチウッド号が出走しました。

 

 

約1年7ヶ月ぶりの出走となったタッチウッドですが、この間に脚元の不安があったようです。

大柄な馬で、久々の出走となる今回の馬体重が540kgでの出走だったタッチウッドは、このレースを7番人気で迎えました。

最内枠からの出走でしたが、スタート直後に鞍上のC・デムーロ騎手に促されながら好位につけた後は、コーナーを活かして先頭に立つ展開となります。

そのままペースを落ち着かせながら最終コーナーまで先頭だったタッチウッドは、直線を迎えてから鞍上に追われて加速していきます。

一度は後続に飲み込まれそうになるものの、そこから底力を発揮してさらに伸びていきます。

最後は2着馬に2馬身1/2差を付けて優勝しました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は、2021年のセレクションセールにて馬主様にご購買いただきました。

セレクションセール上場に向けての当時の記事はこちらからご参照ください。

 

【1歳時のタッチウッド】

 

セレクションセール上場時で490kgほどあった馬なので、将来的に500kgを超す馬体で競馬をするであろうことは予想していました。

これまでの競走成績を見ても能力の高さは感じていましたが、何と言っても1年以上も出走していない馬だったので、まずは無事に走り切ってほしいと願いながら応援していました。

終わってみると改めて高い競走能力を見せてくれたので、本当に嬉しく思っています。

これでOP入りを果たした形になるので、順調に行ってくれれば再び重賞戦線への挑戦も見えてくるでしょう。

今後もまずは無事に、そして馬主様のために走り続けてくれたらと願っています。

当場生産馬のコシュデリ号が2歳未勝利戦を快勝!

10月27日、京都第2R(2歳未勝利、ダ1800)に当場生産馬のコシュデリ号が出走しました。

 

 

前走の新馬戦を不利も影響してか10着で終えたコシュデリは、初戦と同じく2戦目の今回も6番人気で迎えました。

スタートをうまく決まて、2番手あたりで追走しながら道中を進めていくコシュデリ。

3コーナーあたりから先頭集団が詰まってきながらも、終始手応え良く回って2番手のまま最終コーナーを回ります。

直線に入って鞍上のゴーサインに応えるように力強く抜け出したコシュデリは、最後まで脚力が鈍ることなく、最後は2着馬に5馬身差をつけて優勝しました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は、2023年のセレクションセールで現在の馬主様にご購買いただきました。

当時のセールに向けた本馬の紹介記事は、以下のリンクからご参照ください。

【セレクションセール】№182キタサンテンビーの2022(牡 父ホッコータルマエ)

 

【1歳時のコシュデリ】

 

1歳時からホッコータルマエ産駒らしく体高があってムダ肉が付かない馬体をしていて、セレクションセールでも非常に高い評価をいただきました。

当時のセレクションセール会場では、バイヤーの方々のみならず、馬産地関係者の方々からも馬体を褒めていただいたことを思い出します。

成長とともに母父ダイワメジャーの力強さも身に付けてほしいと思っていましたが、今回のレースで見せた力強い走りからも期待通りの成長を見て取れます。

5馬身差を付けたことも評価したいですが、2歳未勝利としては時計も悪くないと思います。

3歳ダート路線が充実している現在においては、本馬のダート中距離適性は今後の昇級戦のみならず、先々のレースまで期待したくなります。

本馬の従兄であるノースブリッジは天皇賞・秋で思うようなレースができずに終わってしまいましたが、その分コシュデリが勝ってくれました。

モガミヒメの牝系からまた1頭、楽しみな馬が出てくれました。

 

【セプテンバーセール】№477ハーランズルビーの2023(牝 父シルバーステート)

セプテンバーセールまで数日ですが、今回はセール3日目(9月19日)に上場予定の当場生産馬ハーランズルビーの2023(牝、父シルバーステート)を紹介させていただきます。

なお、本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【9月9日現在】体高151cm 174cm 管囲19.2cm 馬体重443kg

 

本馬はG2日経新春杯勝ち馬モズベッロの半妹で父シルバーステートということもあり、血統的にはセレクションセールに合格できるレベルの馬でしたが、4月中旬生まれで成長を待ちたかったこともあって9月セールへの上場となりました。

体高がそれほどないのであまり大きく見せませんが、ここにきて胴伸びが出てくるなど、さらに馬体が成長してきそうな雰囲気があります。

そのなかでも馬体重は440kg以上あるので、競走馬としてデビューする頃には立派な馬体で臨めそうです。

本馬の血統は、半兄で重賞勝ち馬のモズベッロがディープインパクト系種牡馬のディープブリランテ産駒だったこともあり、同じディープインパクト産駒のシルバーステートと配合して本馬が生まれたという経緯があります。

シルバーステートの牝馬らしい、少し小柄ながらも柔らか味があり、立派なトモからは瞬発力を感じさせる馬体の持ち主です。

 

そのシルバーステートですが、初年度産駒は現5歳世代となります。

2歳世代まで合わせると、4世代がデビューしていることになります。

そのシルバーステート産駒について、獲得賞金上位50頭の血統傾向を調べたところ、以下のような血統的特徴が見受けられました。

 

①母方にHail to Reasonの血を持つ産駒 39頭/50頭

②母方にMr.Prospectorの血を持つ産駒 35頭/50頭

③母方にNasrullah/Princequilloに代表されるようなNearco/Prince Roseのニックから成る血を持つ産駒 35頭/50頭

④母方にBuckpasserの血を持つ産駒 31頭/50頭

⑤Haloクロス(サンデーサイレンスのクロスを含む)を持つ産駒 25頭/50頭

⑥母方にSpecialの血を持つ産駒 21頭/50頭

⑦Nijinskyクロスを持つ産駒 20頭/50頭

 

①のHail to Reasonの血については、すでに父シルバーステートがHail to Reason4×4を持つので、この血統傾向を産駒の代でも受け継ぐ配合になります。

また、⑤で指摘したHaloはHail to Reason産駒であり、現代で繁栄しているサンデーサイレンスもこの血を引くため、シルバーステートの多くの産駒にこの特徴が見られます。

ただ、①の39頭に対して⑤が25頭ということは、残り14頭はHailoを介さない形で母方にHail to Reasonを持つシルバーステートの活躍産駒となります。

その意味では、Haloを介さずとも、シルバーステート産駒にとっては母方にHail to Reasonの血が入っているほうが好ましいと言えるかもしれません。

本馬は、母ハーランズルビーがHalo4×3を持つので①に該当します。

 

②のMr.Prospectorの血を母方に持つ産駒というのは、①のHail to Reasonの血とも関係があると考えます。

なぜなら、Mr.Prospectorの母Gold DiggerはHail to Reasonと相似クロスを形成できる関係にあるからです。

 

 

それぞれの父系がRoyal Charger≒Nasrullahの相似クロスの関係にあり、母方にBlue LarkspurやSir Gallahad=Bull Dogを持つ点で共通します。

シルバーステートがHail to Reason4×4を持つ種牡馬であることを考慮すると、Mr.Prospectorの血を持つ繁殖牝馬と配合することは血統面では理にかなっているように感じます。

本馬は、母方にGone Westを通じてMr.Prospectorの血を持つので②にも該当します。

 

③のNearco/Prince Roseのニックから成る血というのは、例えばSecretariatやMill Reef、Seattle SlewやSir Gaylordなどが該当します。

その上で、シルバーステート産駒の母方に限ってもう少し詳しく調べてみると、そこにNorthern Dancerの血を組み合わせた血脈の存在が見えてきます。

Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックから成る血、すなわちダンシングブレーヴやStorm Cat、Caerleon、フレンチデピュティ、El Prado、エリシオといった血脈が母方に入っていると、シルバーステート産駒は活躍傾向にあるということです。

③では50頭中35頭が該当するとしましたが、この「Northern Dancer+Nearco/Prince Roseのニックから成る血」まで条件を限定しても、50頭中31頭が該当する血統パターンです。

本馬は母方にSecretariatをクロスで持つなど③にも該当しますし、さらに母方にはStorm Catの血も持つので、これもまたシルバーステート産駒の成功パターンに属すると言えます。

 

①~③の傾向はどちらかと言えば素軽さやスピード、あるいは柔軟性をもたらすような血脈でしたが、④のBuckpasserに関しては重厚さやスタミナの強化をもたらす血脈だと考えます。

シルバーステートの血統にはBuckpasserの血は含まれていないので、一見するとそれほど相性は良くない血に見えるかもしれません。

しかしながら、Buckpasserの血はシルバーステートの母方にあるFlaming Page(Nijinskyの母)と相似クロスを形成するほど血統的親和性が高い関係です。

また、Buckpasserの母Busandaは、シルバーステートが2本持つHail to Reasonの母Northirdchanceとも相似クロスを形成します。

 

 

Hail to Reasonの血はシルバーステートの血統にとって重要だと考えますし、それと相似クロスを形成できるBusandaの血を引くBuckapsserも相性が良い相手なのでしょう。

また、Nijinskyの血も重厚さを伝える血脈なので、その母Flaming PageとBuckpasserを組み合わせることで、シルバーステート産駒に底力を伝える可能性があると考えています。

ちなみに、これは⑦のNijinskyクロスにも関係することですが、ここに登場するFlaming PageとNothirdchance、Busandaの3者はFlaming Page≒Nothirdchance≒Busandaという強力なトライアングルの相似クロスを形成できる関係です。

言い換えると、Buckpasserの血を持つ繁殖牝馬にシルバーステートを配合すると、このFlaming Page≒Nothirdchance≒Busandaを持つ産駒が生まれることになります。

本馬はBuckpasserの血を持たないので④には該当しません。

 

⑤のHaloの血については、①の説明でも言及したのでここでは割愛します。

 

⑥のSpecialの血というのは、Specialの息子であるNureyevや、彼女の孫にあたるSadler’s Wellsやジェイドロバリーの血などがあると該当します。

これは、シルバーステートの母方にRidanの血が入っていることが関係しているかもしれません。

Ridanは、Specialの母Thongの全兄にあたる血統だからです。

本馬はSpecialの血を持たないので⑥には該当しません。

 

⑦のNijinskyクロスについては④の説明で言及したので、ここでは割愛します。

ちなみに、本馬はNijinskyクロスを持たないので⑦には該当しませんが、母方にThe Minstrelを持つので、Nijinsky≒The Minstrelの3/4同血クロスを形成します。

 

以上、シルバーステートの活躍産駒の血統傾向と、本馬の血統パターンを見比べてみました。

全体として、本馬の血統はシルバーステート産駒の活躍傾向を踏襲していると考えます。

 

本馬の緩さを残す馬体は、半きょうだいのモズベッロやエレガントルビー、また2歳の半兄マテンロウアトラスにも見られた特徴なので、母由来と感じさせるものがあります。

完成は古馬になってからだと推察しますが、素軽い面があるので2歳戦から仕上がっていく可能性はあると思っています。

非常に良い歩様をする馬なので、セール当日には№396アヴォンリーの2023のみならず、本馬にも是非ご注目ください。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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