【セプテンバーセール】№574ガーリッシュハートの2022(牝 父ローレルゲレイロ)

9月21日に開催されるセプテンバーセール3日目に、当場生産馬2頭を上場予定です。

前回の№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)につづき、今回は№574ガーリッシュハートの2022(牝、父ローレルゲレイロ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【9月7日現在】体高154cm 胸囲179cm 管囲19.7cm 馬体重435kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

父のローレルゲレイロは少し小柄でですが、その牝駒にしては十分な馬格を備えています。

父譲りの気の強さと、バランスの取れた馬体が本馬の長所だと思います。

その父ローレルゲレイロは当場生産馬で、芝のスプリントG1を2勝してJRA最優秀短距離馬に選出された馬です。

当場を代表するモガミヒメ牝系の出身であり、この牝系らしく気が強く先行力のある競走馬でした。

種牡馬としては、ダートのリステッドを2勝して交流重賞Jpn3北海道スプリントCで2着の実績がある現役馬アイオライトや、準OP勝ちの実績があるアイライン、さらに地方重賞勝ち馬のシークロムなどを出しています。

ローレルゲレイロ自身の血統的特長の一つとして、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionによる相似クロスが挙げられます。

 

上記で色分けした通り、これら4つの血脈はNearoやPharamond、さらにはBull Dog=Sir GallahadやMahmoudを持つ点で共通しています。

本馬の血統においては、そこにHalo4×4のクロスを加えることで、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionの関係を継続強化するイメージで配合しています。

また、本馬が持つSir Ivor5×5ですが、Sir IvorはDroneやHaloと血統的親和性が高い関係にあります。

このSir Ivorという血は、本馬の2代父キングヘイローにとって重要な血脈だと考えています。

彼の血統はSir Ivor≒Drone≒Haloのトライアングルができる血統パターンです。

 

2つの血統表に3頭分の血統表を入れてみました。

この比較でわかるようにSir Ivor、DroneそしてHaloはいずれも2代父がTurn-toであり、それぞれの母はPharamond系×Mahmoud系の組み合わせです。

また、いずれ血脈もSir Gallahadを持つ点で共通しています。

キングヘイローにとって重要な相似クロスであるSir Ivor≒Drone≒Haloに対して、本馬はSir IvorとHaloのクロスを持つことで祖先の競走能力の遺伝につながるのではと期待しています。

 

上述のとおり、本馬は父ローレルゲレイロ、そして2代父キングヘイローの血統傾向を踏襲した血統パターンになっています。

この種牡馬2頭の産駒傾向を見る限り、芝・ダートにかかわらず短めの距離に適性を示すのではないかと考えています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

【セプテンバーセール】№544オーパキャマラードの2022(牡 父カリフォルニアクローム)

9月21日に開催されるセプテンバーセール3日目に、当場生産馬2頭を上場予定です。

今回はそのうちの一頭である№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【9月7日現在】体高151cm 胸囲167cm 管囲19.8cm 馬体重424kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

母オーパキャマラードの初仔ということもあり、牡馬ながらまだ小柄な部類に入る馬格です。

それでも、父母ともに芝・ダート両方で勝ち鞍がある血統背景を持つ馬であり、本馬自体の馬体も素軽いながらしっかりと身の詰まった馬体をしています。

気性的に勝った部分があるのはPulpit系種牡馬の産駒らしいとも言えますし、本馬の母系からもピリッとした気性をしている馬が多いので、そちらの気性を受け継いでいる可能性もあります。

 

父のカリフォルニアクロームは、3歳時に米G1ケンタッキーダービー(ダート10F)や米G1プリークネスS(ダート9.5F)の米二冠に加えて、米G1ハリウッドダービー(芝9F)を制するなど、芝・ダート問わず一流の成績を収めて米3歳牡馬チャンピオン、さらには米年度代表馬にも選出された名馬です。

加えて、5歳時には首G1ドバイワールドC(ダート10F)で優勝すると米G1も2勝して、再び米年度代表馬になっています。

その彼の日本における初年度産駒は現2歳になっていて、スプリングノヴァが先日、札幌芝1500の新馬戦を快勝しています。

米国に残してきた産駒からは米G2勝ち馬3頭出すなどしていますが、彼自身の競走成績からすると物足りない印象です。

ただ、北米で残してきた産駒の傾向として芝路線で活躍している産駒が比較的多いこと、またスプリングノヴァのように芝の新馬戦を勝つ馬が出ていることを考慮すると、ダート主流の米国よりも芝の主流レースが多く開催される日本の競馬のほうが合っているのかもしれません。

カリフォルニアクロームは、その父Lucky Pulpitがそれほどメジャーな種牡馬でないこと、牝系のほうもそれほど華やかではないこともあり、彼自身の血統には懐疑的な考え方もあるでしょう。

ただ、彼自身の持つ血統パターンはさすが米年度代表馬と思わせる見事な血統構成をしています。

まず、彼の母Love the Chaseの血統が魅力的です。

 

 

彼女は米国の名牝Numbered Accountを3×3で持つほか、Dance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスまで持つ血統パターンです。

それだけでなくNot for Love、Polsih Numbers、Sir Ivor、Vaguely NobleそしてRibotと代々質の高い血脈が配されているのが、この牝馬の血統的長所だと思います。

本馬の配合においては、このうちのDance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスを継続強化すべく、母方のスペシャルウィーク内マルゼンスキーの血を組み合わせました。

 

 

マルゼンスキーもまたNorthern Dancer系×Buckpasser牝馬の配合であり、Dance NumberやPolish Numberesとは血統的な親和性が高い関係です。

カリフォルニアクロームの血統に話しを戻すと、彼の父Lucky Pulpit内にSeattle SlewやSecretariat、Cozzeneといった血脈があり、彼の母Love the Chaseの血統にはSir Ivorの血が含まれています。

これらの血脈はNasrullah系×Princequillo系のニック、あるいはその派生形による血脈であり、このような血統パターンをしている馬には素軽いスピードや柔軟性に富んでいることが多い印象です。

実際、カリフォルニアクローム自身もダート路線で米年度代表馬2回を獲得している一方で、芝G1のハリウッドダービーも制するなど芝適性の高さも証明しています。

本馬の母オーパキャマラードもSeattle SlewやSecretariatを持っているので、カリフォルニアクロームの持つNasrullah系×Princequillo系のニックに関しても、息子である本馬の代でも継続強化する配合パターンになっています。

このように、父母それぞれの血統的特徴を活かせるような配合を考えて本馬が生まれたわけですが、本馬の代だけで見るならばLucky Pulpit≒ダンカークの相似クロスが一番大きな血統的特徴と言えるかもしれません。

 

 

この2つの血脈の関係性はLucky Soph≒Trolley Songによる3/4きょうだいクロスのほか、Pulpit≒Secret Statusの関係があるなど非常に親和性の高い血脈同士です。

このように、配合にさまざまな血統パターンを施した結果として本馬が誕生しました。

父カリフォルニアクロームが芝・ダート両方でG1勝ちがある種牡馬であること、また母オーパキャマラードもJRAの芝・ダート両方で勝ち鞍があるということで、本馬にも適性の広さが伝わってくれればと期待しています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

ピューロマジックが2歳未勝利を、キタサンドーシンは3歳上1勝クラスを快勝!

9月2日、札幌第1R2歳未勝利戦(芝1200)に当場生産馬のピューロマジック(牝、父アジアエクスプレス)が出走しました。

 

 

ダート適性が高いアジアエクスプレス産駒というのも人気を後押ししたのでしょうか。

札幌最終週の稍重の芝1200という条件が、このくらいの血統のほうが適性が向くと競馬ファンの方々に思われたのかもしれません。

このレースを1番人気で迎えたピューロマジックはこのきょうだい、この牝系らしいスタートの速さで先頭に立ってレースを進めます。

道中も先頭を譲らず最終コーナーを回ったピューロマジックは、鞍上のゴーサインに応えて2着以下をグングン離していきます。

最後は2着馬に10馬身差を付けて未勝利戦を勝ち上がりました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は、2022年のセレクションセールにて現在の馬主様にご購買いただきました。

セール上場に向けての当時の記事はこちらからご参照ください。

 

【1歳時のピューロマジック】

 

当時のブログ記事にも書きましたが、本馬の適性に関しては距離は短めが良さそうとは思っていたものの、どちらかと言えばダート向きと判断していました。

もちろん、そのパワーがあるからこそ今回のような馬場もこなすだけの能力があったということでしょうが、それにしても札幌最終週の稍重馬場で1:09.8のタイムは当場生産馬ながら立派だと思います。

この走破タイムならば上のクラスでも楽しみです。

 


 

9月3日の新潟第8R3歳上1勝クラス(ダート1800)には当場生産馬のキタサンドーシン(牡、父キタサンブラック)が出走しました。

 

 

ここ3走、掲示板を外すことなく1勝クラスでは安定感があったキタサンドーシン。

あともう少しというレースが多いなか、前走の同条件が2着だったことも後押ししてか、1番人気に支持されてレースを迎えました。

今回は大外発走で内の馬たちが先に行く展開のなか、道中は3番手あたりで追走しながらレースを進めます。

プレッシャーのかからない好位置から徐々に先頭に追い付く形で追い上げていったキタサンドーシンは、最終コーナーを回って直線を迎えると、鞍上のゴーサインに応えて力強く伸びていきます。

一旦は2着馬に並びかけられる場面があったものの、そのあとも力強く伸びたキタサンドーシンは、最後は2着馬に2馬身1/2差を付けて優勝しました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は庭先取引にて現在の馬主様にご購買いただきました。

活躍馬を続々と出しているキタサンブラック産駒で、さらには父と同じ馬主様にご購買いただいてる馬でもあるので、なんとか早く2勝目を挙げてほしいと願っていました。

厩舎関係者の皆様や休養先の育成場さんが、本馬の若駒時からいろいろと試行錯誤しながら成長を促してくださった経緯があります。

その結果が、本馬が古馬になってさらに成長してくれている要因だと思います。

加えて、前走2着のときから連続して騎乗してくださった北村宏騎手とも手が合うのかもしれません。

父キタサンブラックの背中も知っている鞍上さんなので、今回は決めてくれるのではと期待して応援していました。

馬場適性が父と異なるものの、伸びのある馬体は父似なので、今後もある程度距離のあるレースを使われることになるでしょう。

さらなる本馬の成長と活躍に期待したいと思います。

 

【サマーセール 】上場馬4頭をご購買いただきました

8月21日に開催されたサマーセール1日目に、当場生産の1歳馬4頭を上場しました。

№41アルレガーロの2022(牝、父キタサンミカヅキ)は馬目卓さまにご購買いただきました。

№83オーシャンフリートの2022(牝、父モズアスコット)は小田吉男さまにご購買いただきました。

№162スルターナの2022(牡、父キタサンブラック)は鈴木昭和さまにご購買いただきました。

№229ハーランズワンダーの2022(牡、父ダンカーク)は山本益臣さまにご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

スルターナの2022に関しては、当日に上場された唯一のキタサンブラック産駒であること、また昨年の年度代表馬イクイノックスと同じ父×母父の配合ということもあり、セール1日目のトッププライスで落札していただきました。

7月に開催されたセレクトセール当歳セレクションセールでも高く評価していただき、当場生産馬に多くのご注目をいただいてる現状を大変嬉しく思っております。

ただ、それで終わりではなく、落札していただいた生産馬が競馬場で活躍してくれることが大事です。

当場としても、今まで以上に強い馬づくりに精進していく所存です。

改めまして、このたびはサマーセールで当場生産馬をご購買いただき誠にありがとうございました。

 

【サマーセール】№229ハーランズワンダーの2022(牡 父ダンカーク)

8月21日に開催されるサマーセール1日目に、当場から生産馬4頭の上場を予定しています。

4頭中、最後に紹介させていただくのは上場番号№229ハーランズワンダーの2022(牡、父ダンカーク)です。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【8月14日現在】体高154cm 胸囲183cm 管囲20.2cm 馬体重452kg


 

本馬は、前回紹介させていただいた上場番号№162スルターナの2022とともに、当場にて昼夜放牧をしながらセリ馴致をしています。

当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。

現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。

彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。

本馬はセリ馴致の開始当初こそWマシンに入るのを嫌がったり、引き運動でも我儘な歩様で歩こうとするなど幼い面がありましたが、人間が教えることで確実に心身ともに成長してきました。

馬体面では四肢の筋肉、特にトモの筋肉量が豊富で本馬の馬体的長所とも言える特徴ですが、このトモのつくりは母ハーランズワンダー譲りだと言えます。

母ハーランズワンダーはJRAでは勝ち上がれず、ホッカイドウ競馬に転籍してから自身の能力を発揮した馬です。

彼女は、米国でダート中距離を中心に活躍馬を出しているAwesome Againの産駒の割りには脚が短めで発達した筋肉の持ち主だったので、ダート短距離に適性があったようです。

ホッカイドウ競馬ではダート1000~1200の舞台で10戦5勝2着2回3着2回と、着外はわずか1回のみでした。

5勝目を挙げた後に膝に小さな骨片が見つかり、手術して現役復帰できるレベルものでしたが、血統的に繁殖牝馬として期待していたのでそのまま引退して繁殖入りとなりました。

初仔のコパノリンダはJRAのダート1400で2着、またダート1000とダート1200で3着するなどしましたが、勝ち切れませんでした。

2番仔のインテンスシチーもJRAのダート1600、1700でそれぞれ3着するなどしましたが、こちらも勝ち切るまでは至っておりません。

2頭とも最後の直線で上がり最速の脚を使うなど高いスピード能力を持っています。

本馬はトモの筋肉量などは母譲りですが、節々がしっかりとした馬体のつくりなどは父ダンカークの影響だと考えています。

ダンカーク自身は北米血脈で構成されたパワフルなスピード血統ですが、その最たるものは彼自身の持つMr.Prospector≒Alydarの相似クロスにあるかもしれません。

 

 

いずれもRaise a Native×Narullah系牝馬の組み合わせで、そのほかにも共通する血脈も存在するので、血統的な親和性が高い関係と言えます。

母ハーランズワンダーはMr.Prospector4×5を持っているので、本馬の血統は父のMr.Prospector≒Alydarを継続強化しながら母の血統的特徴も活かしている配合だと見なせます。

 

父母それぞれ北米血脈が強い血統であること、またいずれもダートが主戦場だったことを考慮すると、本馬もダート向きの馬と考えて間違いないでしょう。

いま現在は脚が短めで筋肉量が豊富な馬体なので母似に見せますが、体高はまだまだ上がってくるので、育成場で後期育成が進む頃には父の雰囲気のほうが強く感じる馬体になるかもしれません。

冬期も含めて昼夜放牧やセリ馴致を休まず続けてこれた頑健さは彼の長所なので、今後育成場さんに移動しても順調に行ってくれるのではと期待しています。

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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