当場生産馬のミトノユニヴァースが名古屋2歳重賞のネクストスター名古屋を快勝!

10月31日の名古屋第11Rネクストスター名古屋(2歳重賞、ダート1500)に、当場生産馬のミトノユニヴァース号が出走しました。

 

 

転籍初戦の前走を勝ったこともあり、重賞の舞台ながら1番人気でレースを迎えたミトノユニヴァースはスタートを無難に決めて、中団あたりで最初のコーナーを回っていきます。

向こう正面に差し掛かる頃には先頭集団に取り付いて、さらに第3コーナーを回るあたりではすでに先頭に立っていました。

最終コーナーを回って力強く伸びていったミトノユニヴァースは、結局2着馬に5馬身差を付けて優勝しました。

馬主様ならびに関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は昨年のサマーセールに上場したものの、背ったるの馬体が嫌われてか、残念ながら主取りとなった馬です。

それでも、その後に縁あって現オーナーに庭先にてご購買いただきました。

地方競馬のなかでも2歳戦のレベルが高いホッカイドウ競馬で勝ち星を挙げるなど、着実に力をつけてきたミトノユニヴァースは、その後に名古屋競馬に転籍。

前走、そして今回の重賞に連勝するまでに成長してくれました。

本馬は血統的にディープボンドの甥にあたる血統で、母タイセイアヴァンセにとっては初仔になります。

私個人の考えでは、タイセイアヴァンセには名種牡馬Danzigの血や名牝Specialの血が入っている種牡馬が合うのでは、と考えていました。

そのため、初仔のミトノユニヴァース(父ロジユニヴァース)と1歳の全弟の血統には、Danzig5×5のクロスがあります。

また、今年の当歳牡馬に関しては、父リオンリオンがSpecialの血を2本持っています。

さらに、タイセイアヴァンセが現在受胎しているジャンダルムとの配合では、ジャンダルム自身がSpecialの血を持っていて、来年生まれる予定の産駒はDanzigクロスを持つことになります。

ミトノユニヴァースがこれだけ走ってくれているので、今後生まれてくる産駒にも期待したいと思います。

改めて馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございました。

 

【セプテンバーセール】上場馬1頭をご購買いただきました

2番牧草やノースブリッジの中山競馬場応援などでご報告が遅れてしまいましたが、9月21日に開催されたセプテンバーセール3日目に、当場生産の1歳馬2頭を上場しました。

№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)は残念ながら主取りでした。

№574ガーリッシュハートの2022(牝、父ローレルゲレイロ)はYTレーシングさまにご購買いただきました。

ご購買いただきました馬主様ならびに関係者の皆さま、誠にありがとうございました。

オーパキャマラードの2022に関しては、初仔ということもあって他の上場馬に比べると小柄だったので主取りという結果に終わりましたが、尻高でもあり2歳になってグンと良くなりそうな馬体をしているので期待しています。

ガーリッシュハートの2022に関しては、やや小柄な種牡馬ローレルゲレイロの産駒にしては牝馬ながら立派な馬体をしていて、JRA所属になるようです。

改めまして、このたびはセプテンバーセールで当場生産馬をご購買いただき誠にありがとうございました。

 

【セプテンバーセール】№574ガーリッシュハートの2022(牝 父ローレルゲレイロ)

9月21日に開催されるセプテンバーセール3日目に、当場生産馬2頭を上場予定です。

前回の№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)につづき、今回は№574ガーリッシュハートの2022(牝、父ローレルゲレイロ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【9月7日現在】体高154cm 胸囲179cm 管囲19.7cm 馬体重435kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

父のローレルゲレイロは少し小柄でですが、その牝駒にしては十分な馬格を備えています。

父譲りの気の強さと、バランスの取れた馬体が本馬の長所だと思います。

その父ローレルゲレイロは当場生産馬で、芝のスプリントG1を2勝してJRA最優秀短距離馬に選出された馬です。

当場を代表するモガミヒメ牝系の出身であり、この牝系らしく気が強く先行力のある競走馬でした。

種牡馬としては、ダートのリステッドを2勝して交流重賞Jpn3北海道スプリントCで2着の実績がある現役馬アイオライトや、準OP勝ちの実績があるアイライン、さらに地方重賞勝ち馬のシークロムなどを出しています。

ローレルゲレイロ自身の血統的特長の一つとして、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionによる相似クロスが挙げられます。

 

上記で色分けした通り、これら4つの血脈はNearoやPharamond、さらにはBull Dog=Sir GallahadやMahmoudを持つ点で共通しています。

本馬の血統においては、そこにHalo4×4のクロスを加えることで、Drone≒Halo≒Nijinsky≒Careless Notionの関係を継続強化するイメージで配合しています。

また、本馬が持つSir Ivor5×5ですが、Sir IvorはDroneやHaloと血統的親和性が高い関係にあります。

このSir Ivorという血は、本馬の2代父キングヘイローにとって重要な血脈だと考えています。

彼の血統はSir Ivor≒Drone≒Haloのトライアングルができる血統パターンです。

 

2つの血統表に3頭分の血統表を入れてみました。

この比較でわかるようにSir Ivor、DroneそしてHaloはいずれも2代父がTurn-toであり、それぞれの母はPharamond系×Mahmoud系の組み合わせです。

また、いずれ血脈もSir Gallahadを持つ点で共通しています。

キングヘイローにとって重要な相似クロスであるSir Ivor≒Drone≒Haloに対して、本馬はSir IvorとHaloのクロスを持つことで祖先の競走能力の遺伝につながるのではと期待しています。

 

上述のとおり、本馬は父ローレルゲレイロ、そして2代父キングヘイローの血統傾向を踏襲した血統パターンになっています。

この種牡馬2頭の産駒傾向を見る限り、芝・ダートにかかわらず短めの距離に適性を示すのではないかと考えています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

【セプテンバーセール】№544オーパキャマラードの2022(牡 父カリフォルニアクローム)

9月21日に開催されるセプテンバーセール3日目に、当場生産馬2頭を上場予定です。

今回はそのうちの一頭である№544オーパキャマラードの2022(牡、父カリフォルニアクローム)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【9月7日現在】体高151cm 胸囲167cm 管囲19.8cm 馬体重424kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

母オーパキャマラードの初仔ということもあり、牡馬ながらまだ小柄な部類に入る馬格です。

それでも、父母ともに芝・ダート両方で勝ち鞍がある血統背景を持つ馬であり、本馬自体の馬体も素軽いながらしっかりと身の詰まった馬体をしています。

気性的に勝った部分があるのはPulpit系種牡馬の産駒らしいとも言えますし、本馬の母系からもピリッとした気性をしている馬が多いので、そちらの気性を受け継いでいる可能性もあります。

 

父のカリフォルニアクロームは、3歳時に米G1ケンタッキーダービー(ダート10F)や米G1プリークネスS(ダート9.5F)の米二冠に加えて、米G1ハリウッドダービー(芝9F)を制するなど、芝・ダート問わず一流の成績を収めて米3歳牡馬チャンピオン、さらには米年度代表馬にも選出された名馬です。

加えて、5歳時には首G1ドバイワールドC(ダート10F)で優勝すると米G1も2勝して、再び米年度代表馬になっています。

その彼の日本における初年度産駒は現2歳になっていて、スプリングノヴァが先日、札幌芝1500の新馬戦を快勝しています。

米国に残してきた産駒からは米G2勝ち馬3頭出すなどしていますが、彼自身の競走成績からすると物足りない印象です。

ただ、北米で残してきた産駒の傾向として芝路線で活躍している産駒が比較的多いこと、またスプリングノヴァのように芝の新馬戦を勝つ馬が出ていることを考慮すると、ダート主流の米国よりも芝の主流レースが多く開催される日本の競馬のほうが合っているのかもしれません。

カリフォルニアクロームは、その父Lucky Pulpitがそれほどメジャーな種牡馬でないこと、牝系のほうもそれほど華やかではないこともあり、彼自身の血統には懐疑的な考え方もあるでしょう。

ただ、彼自身の持つ血統パターンはさすが米年度代表馬と思わせる見事な血統構成をしています。

まず、彼の母Love the Chaseの血統が魅力的です。

 

 

彼女は米国の名牝Numbered Accountを3×3で持つほか、Dance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスまで持つ血統パターンです。

それだけでなくNot for Love、Polsih Numbers、Sir Ivor、Vaguely NobleそしてRibotと代々質の高い血脈が配されているのが、この牝馬の血統的長所だと思います。

本馬の配合においては、このうちのDance Number≒Polish Numbersの3/4きょうだいクロスを継続強化すべく、母方のスペシャルウィーク内マルゼンスキーの血を組み合わせました。

 

 

マルゼンスキーもまたNorthern Dancer系×Buckpasser牝馬の配合であり、Dance NumberやPolish Numberesとは血統的な親和性が高い関係です。

カリフォルニアクロームの血統に話しを戻すと、彼の父Lucky Pulpit内にSeattle SlewやSecretariat、Cozzeneといった血脈があり、彼の母Love the Chaseの血統にはSir Ivorの血が含まれています。

これらの血脈はNasrullah系×Princequillo系のニック、あるいはその派生形による血脈であり、このような血統パターンをしている馬には素軽いスピードや柔軟性に富んでいることが多い印象です。

実際、カリフォルニアクローム自身もダート路線で米年度代表馬2回を獲得している一方で、芝G1のハリウッドダービーも制するなど芝適性の高さも証明しています。

本馬の母オーパキャマラードもSeattle SlewやSecretariatを持っているので、カリフォルニアクロームの持つNasrullah系×Princequillo系のニックに関しても、息子である本馬の代でも継続強化する配合パターンになっています。

このように、父母それぞれの血統的特徴を活かせるような配合を考えて本馬が生まれたわけですが、本馬の代だけで見るならばLucky Pulpit≒ダンカークの相似クロスが一番大きな血統的特徴と言えるかもしれません。

 

 

この2つの血脈の関係性はLucky Soph≒Trolley Songによる3/4きょうだいクロスのほか、Pulpit≒Secret Statusの関係があるなど非常に親和性の高い血脈同士です。

このように、配合にさまざまな血統パターンを施した結果として本馬が誕生しました。

父カリフォルニアクロームが芝・ダート両方でG1勝ちがある種牡馬であること、また母オーパキャマラードもJRAの芝・ダート両方で勝ち鞍があるということで、本馬にも適性の広さが伝わってくれればと期待しています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

ピューロマジックが2歳未勝利を、キタサンドーシンは3歳上1勝クラスを快勝!

9月2日、札幌第1R2歳未勝利戦(芝1200)に当場生産馬のピューロマジック(牝、父アジアエクスプレス)が出走しました。

 

 

ダート適性が高いアジアエクスプレス産駒というのも人気を後押ししたのでしょうか。

札幌最終週の稍重の芝1200という条件が、このくらいの血統のほうが適性が向くと競馬ファンの方々に思われたのかもしれません。

このレースを1番人気で迎えたピューロマジックはこのきょうだい、この牝系らしいスタートの速さで先頭に立ってレースを進めます。

道中も先頭を譲らず最終コーナーを回ったピューロマジックは、鞍上のゴーサインに応えて2着以下をグングン離していきます。

最後は2着馬に10馬身差を付けて未勝利戦を勝ち上がりました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は、2022年のセレクションセールにて現在の馬主様にご購買いただきました。

セール上場に向けての当時の記事はこちらからご参照ください。

 

【1歳時のピューロマジック】

 

当時のブログ記事にも書きましたが、本馬の適性に関しては距離は短めが良さそうとは思っていたものの、どちらかと言えばダート向きと判断していました。

もちろん、そのパワーがあるからこそ今回のような馬場もこなすだけの能力があったということでしょうが、それにしても札幌最終週の稍重馬場で1:09.8のタイムは当場生産馬ながら立派だと思います。

この走破タイムならば上のクラスでも楽しみです。

 


 

9月3日の新潟第8R3歳上1勝クラス(ダート1800)には当場生産馬のキタサンドーシン(牡、父キタサンブラック)が出走しました。

 

 

ここ3走、掲示板を外すことなく1勝クラスでは安定感があったキタサンドーシン。

あともう少しというレースが多いなか、前走の同条件が2着だったことも後押ししてか、1番人気に支持されてレースを迎えました。

今回は大外発走で内の馬たちが先に行く展開のなか、道中は3番手あたりで追走しながらレースを進めます。

プレッシャーのかからない好位置から徐々に先頭に追い付く形で追い上げていったキタサンドーシンは、最終コーナーを回って直線を迎えると、鞍上のゴーサインに応えて力強く伸びていきます。

一旦は2着馬に並びかけられる場面があったものの、そのあとも力強く伸びたキタサンドーシンは、最後は2着馬に2馬身1/2差を付けて優勝しました。

馬主様をはじめ関係者の皆さま優勝おめでとうございます。

本馬は庭先取引にて現在の馬主様にご購買いただきました。

活躍馬を続々と出しているキタサンブラック産駒で、さらには父と同じ馬主様にご購買いただいてる馬でもあるので、なんとか早く2勝目を挙げてほしいと願っていました。

厩舎関係者の皆様や休養先の育成場さんが、本馬の若駒時からいろいろと試行錯誤しながら成長を促してくださった経緯があります。

その結果が、本馬が古馬になってさらに成長してくれている要因だと思います。

加えて、前走2着のときから連続して騎乗してくださった北村宏騎手とも手が合うのかもしれません。

父キタサンブラックの背中も知っている鞍上さんなので、今回は決めてくれるのではと期待して応援していました。

馬場適性が父と異なるものの、伸びのある馬体は父似なので、今後もある程度距離のあるレースを使われることになるでしょう。

さらなる本馬の成長と活躍に期待したいと思います。