【サマーセール】№229ハーランズワンダーの2022(牡 父ダンカーク)

8月21日に開催されるサマーセール1日目に、当場から生産馬4頭の上場を予定しています。

4頭中、最後に紹介させていただくのは上場番号№229ハーランズワンダーの2022(牡、父ダンカーク)です。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【8月14日現在】体高154cm 胸囲183cm 管囲20.2cm 馬体重452kg


 

本馬は、前回紹介させていただいた上場番号№162スルターナの2022とともに、当場にて昼夜放牧をしながらセリ馴致をしています。

当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。

現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。

彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。

本馬はセリ馴致の開始当初こそWマシンに入るのを嫌がったり、引き運動でも我儘な歩様で歩こうとするなど幼い面がありましたが、人間が教えることで確実に心身ともに成長してきました。

馬体面では四肢の筋肉、特にトモの筋肉量が豊富で本馬の馬体的長所とも言える特徴ですが、このトモのつくりは母ハーランズワンダー譲りだと言えます。

母ハーランズワンダーはJRAでは勝ち上がれず、ホッカイドウ競馬に転籍してから自身の能力を発揮した馬です。

彼女は、米国でダート中距離を中心に活躍馬を出しているAwesome Againの産駒の割りには脚が短めで発達した筋肉の持ち主だったので、ダート短距離に適性があったようです。

ホッカイドウ競馬ではダート1000~1200の舞台で10戦5勝2着2回3着2回と、着外はわずか1回のみでした。

5勝目を挙げた後に膝に小さな骨片が見つかり、手術して現役復帰できるレベルものでしたが、血統的に繁殖牝馬として期待していたのでそのまま引退して繁殖入りとなりました。

初仔のコパノリンダはJRAのダート1400で2着、またダート1000とダート1200で3着するなどしましたが、勝ち切れませんでした。

2番仔のインテンスシチーもJRAのダート1600、1700でそれぞれ3着するなどしましたが、こちらも勝ち切るまでは至っておりません。

2頭とも最後の直線で上がり最速の脚を使うなど高いスピード能力を持っています。

本馬はトモの筋肉量などは母譲りですが、節々がしっかりとした馬体のつくりなどは父ダンカークの影響だと考えています。

ダンカーク自身は北米血脈で構成されたパワフルなスピード血統ですが、その最たるものは彼自身の持つMr.Prospector≒Alydarの相似クロスにあるかもしれません。

 

 

いずれもRaise a Native×Narullah系牝馬の組み合わせで、そのほかにも共通する血脈も存在するので、血統的な親和性が高い関係と言えます。

母ハーランズワンダーはMr.Prospector4×5を持っているので、本馬の血統は父のMr.Prospector≒Alydarを継続強化しながら母の血統的特徴も活かしている配合だと見なせます。

 

父母それぞれ北米血脈が強い血統であること、またいずれもダートが主戦場だったことを考慮すると、本馬もダート向きの馬と考えて間違いないでしょう。

いま現在は脚が短めで筋肉量が豊富な馬体なので母似に見せますが、体高はまだまだ上がってくるので、育成場で後期育成が進む頃には父の雰囲気のほうが強く感じる馬体になるかもしれません。

冬期も含めて昼夜放牧やセリ馴致を休まず続けてこれた頑健さは彼の長所なので、今後育成場さんに移動しても順調に行ってくれるのではと期待しています。

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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【サマーセール】№162スルターナの2022(牡 父キタサンブラック)

8月21日に開催されるサマーセール1日目に、当場から生産馬4頭の上場を予定しています。

今回は上場番号№162スルターナの2022(牡、父キタサンブラック)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【8月14日現在】体高154cm 胸囲180cm 管囲21.0cm 馬体重445kg


 

本馬は血統的に先月開催されたセレクションセールに合格できたレベルですが、春先の体高がそれほど大きくなかったので、セレクションセールには申し込まず、あえてサマーセールまで待つことにした馬です。

その間も当場1歳分場にて昼夜放牧をしながら、セリ馴致を行ってきました。

当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。

現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。

彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。

本馬もしっかりと基礎体力を付けながらセリ馴致をこなすなかで、4月生まれと当場のなかでは遅めの生まれではあるものの、ここにきて体高も伸びてきたのでサマーセールまで待った甲斐があったと感じています。

気性面のほうも成長して、以前よりどっしりとしてきた印象ですが、それは父キタサンブラックの影響が少なからずあるのかもしれません。

一方で、この牝系らしい気の強さも併せ持っていて、セリ馴致を施してもそういう面が残っているあたりはこの牝系の出身らしい馬だと言えます。

その父キタサンブラックについては、以前このブログで紹介した【セレクトセール当歳】№327アメージングムーンの2023(牡 父キタサンブラック)の記事でキタサンブラック産駒の活躍傾向の考察をしているので、興味のある方はそちらの記事をご参照ください。

本馬はそれに加えて、キタサンブラック×キングヘイロー牝馬という血統が注目されるかもしれません。

この組み合わせは、昨年のJRA年度代表馬であり国内外のG1を4連勝中のイクイノックスと同配合です。

 

 

この組み合わせからはHaloクロスが生じるだけでなく、ブラックタイド≒キングヘイローという相似クロスの存在がその相性の良さを後押ししていると考えています。

 

 

Haloだけでなく、どちらの血脈もLyphardやSir Ivorを持つ点で共通しています。

もう一つ、本馬の血統的特徴を挙げるならば、サクラハゴロモ=アンバーシャダイによる全きょうだいクロス4×4が特徴的だと思います。

この全きょうだいが持つノーザンテーストやBull Dog、Mahmoudといった血脈は、本馬の全体的な血統傾向に添うものなので、意味のある全きょうだいクロスだと捉えています。

現役馬として現在JRA1勝クラスに在籍している本馬の全兄キタサンドーシンもこの全きょうだいクロスを持っていて、1勝クラスのレースで3着、4着、2着と来ていて、もう少しで卒業できるところまできています。

キタサンドーシンのほうは父キタサンブラックに似て大柄で脚長の馬体ですが、本馬のほうは全兄ほど体高はなく膝下も短いタイプです。

あえて比較するならば、父キタサンブラックよりも母父キングヘイローに似ているタイプかもしれません。

歩様に柔らか味がありますし、4月生まれということで馬体的にもっと成長できるタイプだと思っています。

いま注目のキタサンブラック産駒ですが、サマーセール1日目に上場されるキタサンブラック産駒は本馬のみですので、馬主関係者の皆さまには是非ご注目いただければと思います。

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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8月21日に開催されるサマーセール1日目に、当場から生産馬4頭の上場を予定しています。

今回は上場番号№83オーシャンフリートの2022(牝、父モズアスコット)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【8月3日現在】体高153cm 胸囲176cm 管囲19.5cm 馬体重436kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

父モズアスコットは初年度産駒が1歳であり、先日のセレクションセールでは上場された7頭の産駒全頭が売却されています。

実際には初年度産駒が当歳だった昨年から、産駒の出来が良いとの評判は聞いていました。

モズアスコット自身、芝G1安田記念だけでなくダートG1フェブラリーSを制すなど、スピードに加えてパワーも併せ持っていました。

芝ダートを問わない適性の高さと父Frankel、母は米重賞勝ち馬という血統的な裏付けもモズアスコットの種馬馬としての人気を後押ししているのかもしれません。

本馬の馬体は、父モズアスコットの筋肉を受け継いでいる印象はあるものの、どちらかと言えば母オーシャンフリートのきれいなシルエットを連想させます。

実際、重たさを感じさせないキビキビとしてバネの効いた歩様は本馬の長所だと思っています。

本馬の母オーシャンフリートはJRAでダート1400の舞台で5勝した馬で、その産駒には3勝クラスまで行ったベルキューズ(牝、父ヘニーヒューズ)がいるなど、現状の産駒成績を見る限り牝駒のほうが活躍傾向にあります。

そのオーシャンフリートの血統的特徴として、Mr.Prospector≒Where You Leadの相似クロスが挙げられます。

 

 

いずれもRaise a Native×Nearco系牝馬の組み合わせです。

力強いスピードの遺伝を期待した相似クロスでしたが、結果的にオーシャンフリートがダートで5勝したことを考えると、この配合はうまく嵌ったのだと思います。

本馬の世代ではWhere You Lead7×5の牝馬クロスを施してみましたが、これは上記の相似クロスの継続強化を狙ったものです。

また、本馬の世代ではMr.Prospectorも5*6×3でクロスするので、このクロスも継続強化ということになりますが、こちらに関してはMiswaki≒アフリートの相似クロスと見なすことも可能です。

 

 

どちらもMr.Prospectorの直仔であり、母方にはTom FoolのほかにPrincequillo/Nasrullahの組み合わせも存在します。(アフリートのほうは、5代表ではわかりませんが5代目にあるDeltaの父がNasrullahです)

もう一つ、本馬の血統ではStorm Cat≒Caerleonの相似クロスも施しています。

 

 

Storm Bird≒Nijinskyの相似クロスのほか、母方にPrincequilloの血が存在するなど血統的な親和性が高い関係です。

Storm Cat≒Caerleonの組み合わせは、どちらかと言えば柔軟性のある素軽いスピードを伝える傾向にあると考えていますが、本馬のキビキビとした歩様はこのような相似クロスが関係しているのかもしれません。

 


 

素軽い動きのなかにもダート適性がありそうな筋肉を纏っている、という意味ではこの父母から生まれた産駒らしい馬体と言えます。

セリ馴致の預託に出すまでは№41アルレガーロの2022同様に冬期を含めて昼夜放牧をかけることで、しっかりと基礎体力を付けてきました。

当場から育成公社さんにセリ預託でお願いした産駒のなかには現3歳で3勝クラスに在籍するドンアミティエがいるなど、育成場さんとの相性の良さを感じています。

本馬も彼ら先輩馬に続いてほしいと願っています。

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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【サマーセール】№41アルレガーロの2022(牝 父キタサンミカヅキ)

8月21日に開催されるサマーセール1日目に、当場から生産馬4頭の上場を予定しています。

今回は上場番号№41アルレガーロの2022(牝、父キタサンミカヅキ)を紹介させていただきます。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

【8月3日現在】体高156cm 胸囲178cm 管囲20.0cm 馬体重450kg


 

本馬は現在、当場と同じ町内の育成場である育成公社さんに預けて、セール当日に向けてセリ馴致をしていただいてます。

母アルレガーロの産駒のなかでも、本馬は牝馬ながら明らかに馬格に恵まれていて、この点は父キタサンミカヅキの馬体的特徴が良く出ていると感じています。

そのアルレガーロにはこれまで3頭のローレルゲレイロ産駒を産んでもらって、そのうちハディアはJRAで2勝のほか、高知競馬で5勝するなど地方に転籍してからも堅実に走ってくれています。

本馬は父がキタサンミカヅキで、ローレルゲレイロとキタサンミカヅキはいずれもキングヘイロー産駒なので、本馬と半兄ハディアとは血統的に3/4同血という関係になります。

当場では以前からキングヘイローの血を引く馬を多く生産していますが、それはキングヘイローの血統にDrone≒Halo≒Sir Ivorという強力な相似クロスが存在するからです。

 

 

もともとはキングヘイローの母グッバイヘイローがHalo≒Sir Ivorの相似クロスを持っていて、そこにDroneを持つダンシングブレーヴが配合されて生まれたのがキングヘイローでした。

これら3つの血脈は、それぞれの父系がturn-toに遡る点で共通していて、またこれら3頭の母方にMahmoud×Pharamondの組み合わせがある点も同じです。

この血統的特徴を持つキングヘイローを父に持つキタサンミカヅキに対して、Haloの血を引くアルレガーロを配合したことで、血統的にはDrone≒Halo≒Sir Ivorの相似クロスを継続強化した配合になると考えています。

それ以外にも、本馬の血統的特徴という意味ではダンシングブレーヴ≒Storm Catによる相似クロスも上げられると思います。

 

 

いずれも2代父がNorthern Dancerであり、それぞれの母方にはSir Gaylord≒Secretariatの存在もあります。

そのほかにも血統的親和性の高い部分もあることから、ダンシングブレーヴ≒Storm Catの相似クロスも本馬の血統的長所ではないかと考えています。

 


 

父がダート馬のキタサンミカヅキであること、さらに本馬がその父譲りの馬格をしている点を考慮すると、本馬もダート適性の高い馬だと言えるでしょう。

キタサンミカヅキ産駒は初年度産駒が明け2歳であり、地方で勝ち上がっている産駒がいるわけですが、その傾向から本馬に関してもダートの短めの距離に適性があるのかもしれません。

この牝系らしい気の強さに加えて、馬格のある牝馬らしくどっしりとした面もあります。

リーズナブルな価格設定にしたいと考えていますので、JRAのみならず地方競馬の馬主関係者の皆様にもご注目いただきたい一頭です。

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

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クラブ馬2頭が育成場へ移動

当場から提供させていただいたクラブ募集馬2頭につきまして、育成場への移動が完了したのでご報告させていただきます。

まず7月27日に、ローレルクラブ提供馬で当場生産のアメージングムーンの2022(牝、父ドゥラメンテ)がファンタストクラブへ移動しました。

当初は8月上旬の移動も考慮していましたが、育成場さんとの話し合いのなかで7月下旬のほうが馬房調整がしやすかったようですので、移動が遅れるよりは早い方が良いと判断して7月下旬での移動となりました。

到着時に育成場さんで計った馬体重は511kgでしたが、比較的草太りした体型での引渡しだったので、いずれシェイプアップした馬体で育成されていくものと予想しています。

 

また、8月10にはターファイトクラブ提供馬で当場生産のメジェルダの2022(牝、父ミスターメロディ)が小國スティーブルに移動しました。

こちらも8月の早い段階で移動させたいと考えていましたし、育成場さんとの調整もできたので、このタイミングでの移動となりました。

到着時に育成場さんで計った馬体重は468kgでした。

本馬はあまり草太りしない馬体なので、ターファイトクラブの展示会ツアーでお見せした雰囲気の馬体で引き渡せたと思います。

 

結果的にアメージングムーンの2022は母と同じ育成場さんに、メジェルダの2022は半兄メディーヴァルと同じ育成場さんにお願いする形になりました。

それぞれ血統や馬体、気性をといった特徴を把握していただいてる育成場さんに移動したことは、彼女たちの今後を考えるとプラスになると考えています。

彼女たち2頭にご出資いただいた皆さま、育成場への移動後も引き続きよろしくお願いいたします。