【セレクションセール】№182キタサンテンビーの2022(牡 父ホッコータルマエ)

今年のセレクションセールには当場から3頭の生産馬を上場予定ですが、最後の3頭目として紹介させていただくのが、セール第2日目に上場予定の№182キタサンテンビーの2022(牡、父ホッコータルマエ)です。

本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。

 

 

本馬の360度画像はこちらからご参照ください。

【7月12日現在】体高158cm 胸囲175cm 管囲20.7cm 馬体重452kg

 

本馬は当場1歳分場にて昼夜放牧をしながら、セリ馴致も行っています。

当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。

現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。

彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。

本馬の母キタサンテンビーは小柄で400kg台で競馬した馬ですが、彼女の2番仔である本馬は明らかに父ホッコータルマエの影響を受けていて、当場平均よりも一回り大きな立派な馬体をしています。

その父ホッコータルマエの産駒について、獲得賞金上位50頭(7月5日現在)の血統傾向を調べてみました。

 

①母方にHyperionの影響が強いと思われる血脈を持つ産駒 40頭/50頭

②母方にNasrullah/Princequilloのニックから構成される血脈を持つ産駒 34頭/50頭

③母方にサンデーサイレンスの血を持つ産駒 28頭/50頭

④Mr.Prospectorのクロスを持つ産駒 24頭/50頭

 

①の母方にHyperionの影響が強いと思われる血脈を持つ産駒ですが、単純計算でホッコータルマエの活躍産駒の8割がこの血統傾向を持っていることになります。

ここで私がHyperionの影響が強いと思われる血脈と見なしているのは、サンデーサイレンスの2代母Mountain Flower(Hyperion3×4)やノーザンテースト(Hyperion3×4)、あるいはNureyev(Hyperion4×4)などの馬のことです。

例えば、獲得賞金第1位のレディバグには母方にHyperion3×4を持つ凱旋門賞馬Vaguely Nobleの血が入っています。

 

 

同様に、獲得賞金第2位のメイショウフンジンは、母方にサンデーサイレンスを通じてMountain Flowerを持っていたり、Hyperion4×5を持つSadler’s Wellsの血が入っています。

また、獲得賞金第3位のヒーローコールの母方にはFall Aspenとトウショウボーイ(いずれもHyperion3×4)の血が入っているなど、ホッコータルマエ産駒の活躍馬の血統には少なからずHyperionの影響がどこか感じられます。

 

 

本馬の場合、母父ダイワメジャーがMountain FlowerやノーザンテーストというHyperionの血が強い血脈を持つので、①のパターンに該当すると考えています。

②の母方にNasrullah/Princequilloのニックから構成される血脈を持つ産駒というのは、例えばMill ReefやRiverman、Secretariatの血を母方に持つ産駒ということです。

このようなニックから成る血脈を持つ繁殖牝馬とホッコータルマエを配合すると、Nasrullah/Princequilloの組み合わせを複数持つことになり、結果として高い競走能力や柔軟性が遺伝されるのではと考えています。

本馬の場合、本馬の2代母ビッグテンビーがNasrullah/Princequilloから成る血脈としてMill Reefやボールドラッドを持っているので、②のパターンにも該当します。

③の母方にサンデーサイレンスの血を持つ産駒というのは、現代の多くの繁殖牝馬にこの血脈が入っているので、大きな特徴とは呼べないかもしれません。

ただ、サンデーサイレンスの2代母Mountain FlowerがHyperion3×4を持つという血統背景は、①とも脈絡する話しであり、単純にホッコータルマエにサンデーの血を持つ繁殖牝馬を配合することが血統的な観点からは好ましいと考えます。

本馬は母方にサンデーサイレンスの血を持つので、この③にも該当します。

最後に④Mr.Prospectorクロスを持つホッコータルマエ産駒ということですが、本馬はこれに該当しません。

ただ、ホッコータルマエ自身がMr.Prospectorクロスを持っていること、そしてその彼がダート路線で素晴らしい競走成績を残したことも考慮すると、父の競走能力を受け継ぐ意味で産駒の代でもMr.Prospectorのクロスを施すのは面白いと考えます。

 

以上の点から、本馬はホッコータルマエ産駒の成功パターンにある程度該当していると、個人的には考えています。

非常に垢抜けた馬体の持ち主であり、ダート血統でありながら歩様に軽やかさを感じさせるなど、ビッグテンビーを2代母に持つ血統らしい馬だと言えます。

中央・地方を含めたダート路線が整備されるなかで、ダート中距離路線がグンと注目されてくると思いますが、本馬のような脚を長めに見せる馬体はこれからの時代にマッチするのではと考えています。

放牧地で走る姿も豪快かつ軽やかで、後ろから付いてくる馬たちを一瞬で引き離してしまう脚力があります。

セリ馴致時の馬体の雰囲気が似ている従兄のノースブリッジは芝中距離で活躍中ですが、本馬にはダート版ノースブリッジのような走りを期待したいと思っています。

 

本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。

当場から折り返し連絡させていただきます。

 

【関連記事】

【セレクションセール】№6クラシックスの2022(牝 父シルバーステート)

【セレクションセール】№100エイシンキルデアの2022(牡 父ヘニーヒューズ)

 

 

コメントする

CAPTCHA