2023年08月18日
8月21日に開催されるサマーセール1日目に、当場から生産馬4頭の上場を予定しています。
今回は上場番号№162スルターナの2022(牡、父キタサンブラック)を紹介させていただきます。
本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
【8月14日現在】体高154cm 胸囲180cm 管囲21.0cm 馬体重445kg
本馬は血統的に先月開催されたセレクションセールに合格できたレベルですが、春先の体高がそれほど大きくなかったので、セレクションセールには申し込まず、あえてサマーセールまで待つことにした馬です。
その間も当場1歳分場にて昼夜放牧をしながら、セリ馴致を行ってきました。
当場の方針として、当場内でセリ馴致する際はセールに上場することだけを目的とせず、将来の競走馬という意味でもしっかりと基礎体力を付けて送り出したい思いから昼夜放牧も同時に実施しています。
現8歳でG3武蔵野S勝ちのソリストサンダー、7歳で先日引退したG2日経新春杯勝ちのモズベッロ、現6歳で国内外の重賞4勝のディープボンド、G3エルムS勝ち馬フルデプスリーダー、現5歳でG2AJCCとG3エプソムCの勝ち馬ノースブリッジ、そして今年のG3共同通信杯でのちのダービー馬タスティエーラに先着する2着と健闘した現3歳のタッチウッド。
彼らはすべて当場生産によるセール上場馬ですが、すべて当場内で昼夜放牧をしながらセリ馴致をしてセール上場した馬たちです。
本馬もしっかりと基礎体力を付けながらセリ馴致をこなすなかで、4月生まれと当場のなかでは遅めの生まれではあるものの、ここにきて体高も伸びてきたのでサマーセールまで待った甲斐があったと感じています。
気性面のほうも成長して、以前よりどっしりとしてきた印象ですが、それは父キタサンブラックの影響が少なからずあるのかもしれません。
一方で、この牝系らしい気の強さも併せ持っていて、セリ馴致を施してもそういう面が残っているあたりはこの牝系の出身らしい馬だと言えます。
その父キタサンブラックについては、以前このブログで紹介した【セレクトセール当歳】№327アメージングムーンの2023(牡 父キタサンブラック)の記事でキタサンブラック産駒の活躍傾向の考察をしているので、興味のある方はそちらの記事をご参照ください。
本馬はそれに加えて、キタサンブラック×キングヘイロー牝馬という血統が注目されるかもしれません。
この組み合わせは、昨年のJRA年度代表馬であり国内外のG1を4連勝中のイクイノックスと同配合です。
この組み合わせからはHaloクロスが生じるだけでなく、ブラックタイド≒キングヘイローという相似クロスの存在がその相性の良さを後押ししていると考えています。
Haloだけでなく、どちらの血脈もLyphardやSir Ivorを持つ点で共通しています。
もう一つ、本馬の血統的特徴を挙げるならば、サクラハゴロモ=アンバーシャダイによる全きょうだいクロス4×4が特徴的だと思います。
この全きょうだいが持つノーザンテーストやBull Dog、Mahmoudといった血脈は、本馬の全体的な血統傾向に添うものなので、意味のある全きょうだいクロスだと捉えています。
現役馬として現在JRA1勝クラスに在籍している本馬の全兄キタサンドーシンもこの全きょうだいクロスを持っていて、1勝クラスのレースで3着、4着、2着と来ていて、もう少しで卒業できるところまできています。
キタサンドーシンのほうは父キタサンブラックに似て大柄で脚長の馬体ですが、本馬のほうは全兄ほど体高はなく膝下も短いタイプです。
あえて比較するならば、父キタサンブラックよりも母父キングヘイローに似ているタイプかもしれません。
歩様に柔らか味がありますし、4月生まれということで馬体的にもっと成長できるタイプだと思っています。
いま注目のキタサンブラック産駒ですが、サマーセール1日目に上場されるキタサンブラック産駒は本馬のみですので、馬主関係者の皆さまには是非ご注目いただければと思います。
本馬に関してお問い合わせがございましたら、牧場公式サイトからご連絡いただくか、当ブログに連絡先を添えてコメント欄にご記入くださるようお願いいたします。
当場から折り返し連絡させていただきます。
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