【ターファイトクラブ募集馬】トキノステラの2023(牝 父アジアエクスプレス)

明日8月6日から、ターファイトクラブの2024年度1歳馬募集が始まります。

当場からは昨年の当歳馬募集のゼフィランサスの2023につづき、今回はトキノステラの2023を提供することになりました。

7月28日には、北海道市場で開催された1歳募集馬ツアーに参加されたクラブ会員の皆さまに本馬をご覧いただいております。

また、8月3日に大阪で開催された1歳募集馬検討会には当場から私が参加して、本馬のことをお問い合わせくださった参加者の方々に直接本馬のことを説明させていただきました。

 

 

【7月28日時点】体高156cm 胸囲184cm 管囲20.1cm 馬体重484kg

 

1歳募集馬ツアーに向けて測尺した結果の数字は、この時期としては立派なものです。

特に本馬は初仔の牝馬であり、通常はもっと小さな馬格でも不思議ありません。

にもかかわらず、現時点では当場の他の1歳牝馬世代と比較しても、十二分に馬格のある馬です。

ここまでの本馬は、昨年の離乳後に当場の中期育成部門に移動して、冬期も含めて休まず昼夜放牧できています。

1歳募集馬ツアーに参加された方はお分かりかと思いますが、本馬は牝馬ながら牡馬顔負けの筋肉質の立派な馬体をしていて、サイズ感も含めて明らかに父似の馬体的特徴を備えています。

気性も大人びている一方で、この牝系由来の気の強さはしっかりと持ち合わせています。

いま現在は昼夜放牧して基礎体力を鍛えながら放牧地でストレスが溜まらない日常を送っていますが、育成場に移動して後期育成に入ると、おそらくこの牝系由来の気の強さがより前面に出てくると予想します。

それはこの牝系にとって当たり前のことで、むしろその気性的特徴こそがこの牝系に繁栄をもたらしてくれていると思っています。

ちなみに本馬の育成場への移動時期は、育成場との調整も必要ですが、現時点では8月中旬の移動を見込んでいます。

 

父のアジアエクスプレスは、現役時に芝G1朝日杯フューチュリティSを制した一方でダートG3レパードSも勝っていて、ヘニーヒューズ産駒ということもあり基本的にはダート馬でした。

現役引退後は、当場と同じ新冠町の優駿スタリオンステーションに種牡馬入りしました。

その関係で、当場ではアジアエクスプレスを毎年のように種付していて、生まれてくる産駒もよく活躍してくれています。

G3葵SとG3北九州記念と重賞連勝中のピューロマジック、その全兄でOP韋駄天S勝ちのメディーヴァル、JRA現4勝でOPクラスのドンアミティエ、あるいは現在南関東で9勝してA2クラスのハセノエクスプレス。

彼らはみな当場生産馬であり、アジアエクスプレス産駒のなかでも獲得賞金上位の馬たちです。

そのアジアエクスプレス産駒について、獲得賞金上位50頭の血統傾向を調べてみたところ、以下のような血統的特徴が見受けられました。

 

①母方にHaloの血を持つアジアエクスプレス産駒 37頭/50頭

②母方にMr.Prospectorの血を持つアジアエクスプレス産駒 28頭/50頭

③母方にStorm Catと相似な血を持つアジアエクスプレス産駒 28頭/50頭

④母方にSpecialの血を持つアジアエクスプレス産駒 17頭/50頭

⑤父方のStorm Catと母方のNjinskyの血から成るStorm Cat≒Nijinskyの相似クロスを持つアジアエクスプレス産駒 17頭/50頭

⑥母方にRobertoの血を持つアジアエクスプレス産駒 11頭/50頭

 

①の特徴については、本馬の母父キングヘイローにHaloの血が含まれているのでこの特徴には当てはまります。

ただ、日本においてはHalo直仔のサンデーサイレンスの血が繁栄している関係で、この①の特徴はそれほど目立つものではありません。

 

②については、Mr.Prospectorの血が北米血脈に区分できるものであり、その北米血脈を豊富に持つアジアエクスプレスとは相性が良いことは十分に推測できます。

本馬はMr.Prospectorの血を持っていないので②の特徴に当てはまりませんが、Mr.prospectorに似た血統背景を持つ北米血脈のAlydarの血は持っています。

 

③のStorm Catと相似な血に関しては、Storm CatがNorthern Dancerを持っているほかNearco/Prince Roseのニックから成る血(Secretariat)も併せ持つという血統的特徴があります。

この特徴を満たす血を母方にも有するアジアエクスプレス産駒は活躍傾向にあるということです。

Nearco/Prince Roseのニックから成る血は、後世の産駒たちに柔軟性を与えている印象があり、芝・ダートどちらの適性がある馬にも見られる血統的特徴です。

本馬に関しては、母方にダンシングブレーヴおよびモガミポイントの血があるので③の特徴は満たしています。

 

④のSpecialの血に関しては、アジアエクスプレス産駒としては少し意外な血統的特徴でした。

Specialの血は、どちらかと言えば芝適性が高い馬の血統に含まれることが多い印象です。

ただ、確かに④の特徴を満たす当場生産のアジアエクスプレス産駒であるメディーヴァル、ピューロマジックの全きょうだいは芝のOPレースでも勝っています。

本馬に関しては、この④の特徴を満たしていません。

 

⑤のStorm Cat≒Nijinskyの相似クロスに関しては、上記血統表のStorm Cat≒モガミポイントの相似クロスを見てわかるように、本馬はこの特徴を満たしています。

この相似クロスを持つ馬は、底力に優れている印象があります。

 

⑥の母方にRobertoがあるパターンはRobertoの血自体の芝適性は高いものの、その血統構成は北米血脈であり、その北米血脈が豊富なアジアエクスプレスとは相性が良いと推測できます。

②の特徴と背景は同じでしょう。

本馬の母方にはRobertoの血がないので、⑥の特徴には当てはまりません。

 

アジアエクスプレス産駒の活躍馬に見られる6つの特徴のうちは、本馬が満たしている特徴は半分の3つでした。

それでも、本馬の母トキノステラはアジアエクスプレスと相性が良いと思っています。

なぜなら、まずこの配合で生まれた本馬が見栄えのする立派な馬体であること。

そして、本馬の母トキノステラと全姉妹の関係であるクラシックスの初仔ドンアミティエはJRAオープン馬ですが、彼はアジアエクスプレス産駒なので本馬とは同血と見なせる関係にあるからです。

 

 

本馬の2代母モガミヒメまで遡れば、この牝系とアジアエクスプレスの父系であるStorm Catの血を持つ種牡馬とは相性が良いことがわかります。

現役馬として国内外重賞4勝のディープボンド、ドンアミティエ(現JRA4勝)、アヴォンリー(元JRA3勝クラス)、ダンケシェーン(元JRA3勝クラス)、ライトヴェール(現ホッカイドウ競馬所属、Jpn3エーデルワイス賞4着)など、牡牝や芝・ダートそれから距離の長短も関係なく活躍してくれています。

本馬はその馬体、そして血統背景からダート短距離に適性があると思っています。

当場で育成してきたなかでは脚元の心配は一度もないほど骨格がしっかりとしていて、筋肉量も豊富なので、見栄えのする馬体と言えるでしょう。

栗東の藤野厩舎に所属予定ですが、藤野調教師は調教助手時代にこの牝系を多く手掛けていらっしゃるので、本馬の育て方にも役立ててくれると思います。

育成場についても、この牝系を多く手掛けてくださっているファンタストクラブさんに移動予定です。

 

すでに本馬の出資に対する先行予約は始まっていて、お蔭様で順調にご予約いただいてるようです。

明日8月6日から始まる2024年度1歳馬募集においても、多くのクラブ会員さまに本馬への出資をご検討いただけると幸いです。

 


最後に、もう1頭のターファイトクラブ募集馬で、当歳時に満口にしていただいたゼフィランサスの2023の近況をお伝えします。

 

 

【7月28日時点】体高151cm 胸囲173cm 管囲19.3cm 馬体重412kg

 

暑い夏を迎えるなかで、本馬の青鹿毛の毛色は日焼けして疲れやすいと推測されるなかで、馬体の張りはよくキープできています。

トキノステラの2023と比べると数字が寂しく感じるものの、トキノステラの2023が牝馬でも大柄な部類なので、なおさらそのように感じるかと思います。

ゼフィランサスの2023自身も確実に成長してきていて、飼い食いに関しても、暑い夏のなかでさえ以前よりしっかりと食べることができています。

キズナの牝駒には小柄なタイプもいますが、現時点では本馬もそのカテゴリーに入るのでしょう。

ただ、パワフルでやや硬めの歩様であるトキノステラの2023に対して、本馬は芝血統らしく可動域が広くて柔軟性に富んだ素軽い歩様をしています。

ディープ系産駒らしい全身を使った柔らかい歩様という長所は相変わらずですし、やはり垢抜けています。

本馬に関しても8月中には育成場へ移動する可能性があり、育成場と馬房の調整がありますが、遅くとも9月上旬には移動させたいと思っています。

なお、移動先は坂東牧場さんを予定しています。

 

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