2024年10月15日
2024年度の当歳馬募集が始まりましたが、当場からはアメージングムーンの2024を提供させていただくことになりました。
今回は当馬の紹介をさせていただきます。
なお、本馬の牝系解説文(ブラックタイプ)はこちらからご参照ください。
コントレイル産駒は本馬の世代が2世代目となりますが、初年度産駒にあたる現1歳世代から産駒の出来の評価が高く、セリでの取引価格もセレクトセールをはじめ非常に高い価格で落札されています。
当場でもスルターナの2023につづき、本馬が2頭目のコントレイル産駒誕生ということで、コントレイル産駒には高い関心を抱いてきました。
また、他場さんが生産されたコントレイル産駒たちもセールを通じて見てきたなかで、当歳の早い段階では少し硬めの動きをする産駒が多いイメージを持っています。
これはおそらくコントレイルの母父Unbridled’s Songの影響かと思いますが、誕生から時間の経過とともに芝馬らしい柔軟性とバネの効いた動きが目立ってくる傾向にあるとも感じています。
あまり緩くない感じで生まれてくるのならば、順調に成長すると早い段階、すなわち2歳戦から活躍できそうなイメージも湧くので、種牡馬としてのコントレイルという観点からはむしろ良い傾向かもしれません。
本馬は当場で力を入れているモガミヒメ牝系出身ということで、この牝系らしい緩さを備えた感じて誕生しています。
ただ、例えば現2歳の半姉アメージングハナビなどと比較すると、より筋肉質で少しゴツめの馬体で生まれてきたのも事実で、そういうところもコントレイル産駒らしいです。
本馬も完成は古馬になってからだと思っていますが、コントレイル産駒らしさもあることから、2歳戦から動ける可能性はあると思っています。
1月生まれということもあり、大富繁殖分場のなかでは最も早く離乳を終えていて、8月中旬には中期育成部門の1歳分場へ移動しました。
離乳して1歳分場へ移動した直後は、他の当歳馬と同じく繊細で1歳分場のスタッフにも慣れていない状況がありました。
ただ、1カ月以上経過した現在は人を含めた1歳分場の環境にもすっかり慣れて、現状は当歳世代のなかでも大人びた一頭だと言えます。
すでに何組もクラブ会員さんによる見学を経験していますし、この1週間のなかでも複数組の見学を予定しています。
そういう経験も含めて、他馬よりも精神的に大人びてきたのかもしれません。
脚元を含めた馬体や気性面など、現時点では大きな課題は見当たらないので、このまま順調に成長できるように当場でも全力でサポートしていきます。
コントレイルの血統は、ディープインパクト×Storm Catの血を持つ母、という配合なので血統的にはキズナに共通している部分があります。
その意味では、本馬の血統とキズナ産駒の半姉ルヴニールは血統的特徴が似ていると言えるでしょう。
ルヴニールは新馬戦こそ2着してくれたものの、その後のレースにおける馬体重を見てもわかるように、残念ながら馬体的な成長があまり見られずに引退に至っています。
この点に関しては、当場としても責任を痛感しております。
なんとかその妹のアメージングハナビ、そして本馬でルヴニールの分まで活躍してほしいと願っています。
馬体重あるいは馬格という点では、本馬はアメージングハナビほどの雄大な馬格ではありませんが、ルヴニールよりは大きな馬体です。
コントレイル自身が少し小柄な馬体であるために、産駒も小柄に出やすいと思われるかもしれませんが、少なくとも当場が生産したスルターナの2023と本馬に関しては標準以上の馬格があります。
血統面で言うと、コントレイルやキズナはStorm Catの血を持つ種牡馬ですが、本馬が属するモガミヒメ牝系にはこの「Storm Catの血を持つ」という特徴を備えた種牡馬を頻繁に配合してきました。
この牝祖にあたるモガミポイントが、Storm Catと相似な血のクロスを形成する関係にあるからです。
父系同士がStorm Bird≒Njinskyの相似クロスを形成し、それぞれの母父がSecretariat≒ボールドラッドによる3/4同血クロスをつくる関係にあります。
この組み合わせを活かして、国内外の重賞勝ち馬ディープボンドをはじめとした活躍馬が出てくれています。
モガミポイントの母父であるボールドラッドに関しては、コントレイルの血統に含まれるLucky Spell(Unbridled’s Songの2代母)とも相似クロスを形成すると考えます。
それぞれの母がPrincequillo×Mahmoud系の組み合わせであり、Royal Charger≒Nasrullahによる3/4同血クロスも形成する関係です。
Lucky Spellの孫であるUnbridled’s Song、そしてボールドラッドのいずれもが2歳戦で素晴らしい競走成績を挙げたこと、また父コントレイルと母アメージングムーンも現役時に2歳戦で成績を挙げたことを考慮すると、本馬にはある程度の早熟性が備わっているかもしれません。
この牝系らしく完成は古馬になってからだと考えていますが、血統面からは2歳戦から活躍できても不思議ないと思っています。
本馬に関しては、当場としては珍しく1000口募集とさせていただきました。
重賞3勝のノースブリッジの半妹であること、また多くのクラブ会員の皆さまがご注目されているであろうコントレイル産駒という点も考慮しながら、多くの方々に出資していただきやすい設定にしたつもりです。
実際、すでに多くのクラブ会員の方々に興味を持っていただくなかで、本馬の見学にも来てくださっていますし今後も見学予定が複数入っています。
クラブ会員の皆さまにご見学いただきながら、あるいはネットなどで情報共有していただきながら、本馬へのご出資をご検討くださると幸いです。
なお、当場においては早ければ10月末、遅くとも毎年11月末には全当歳馬の測尺を始めることにしています。
11月頃のクラブ募集馬の情報更新の際には、測尺も含めた本馬の情報提供ができる予定です。
全当歳馬を環境に慣れさせる意味でも少し時間をいただく形にはなりますが、あらかじめご了承ください。